不可解な音が響いてる。
頭が思うように働かない。
カーテン越しに見た外の光は
あまりにも眩し過ぎて目を瞑った。
 
頭に鳴り響く不快な音。
この部屋にいる他の誰かの気配。
一体誰だ?
僕はここで何をしてるんだ?
 
気がつけばお互い臨戦体勢で
一触即発の状態で
そこに一声似つかわしくない声。
『ご飯まだ?』
 
あぁ、そうか。
こいつ等は確か・・・
否、そんな事はどうでも良い。
今目の前に居るのは殺気立った奴。
 
そんなに僕を殺したいのか?
殺したいほど憎んでいるのか?
僕が何をしたのかは覚えていない。
それは沢山の内の一つにしか過ぎない。
 
嫌いじゃないよ、お前の事。
だけどお前が嫌うなら、それも良いだろう。
あれは僕にとってただの仕事だった。
それがお前を傷つけたと言うのなら・・・
 
殺したいほど憎んでいるというのなら
 
僕は何も抵抗などしない。
僕は僕のやるべき事をやっただけだ。
何も後悔なんてしていない。
足元すくわれたって自業自得だと思う。
 
僕はそれだけの罪を犯してきた人間だ。
 
今更命を惜しむ歳じゃない。
今更死への恐怖に震える歳じゃない。
憎いなら殺せばいい。
ただお前の手が血で穢れるのは忍びない。
 
今更何を言うだって?
そんな事、お前が一番良く知ってるじゃないか。
弁明なんてしない。
説き伏せようともしない。
 
それに・・・お前は本当に僕を殺す気があるのか?
昨日の晩泥酔した僕を狙うのが一番じゃなかったのか?
全く予測不可能な奴だな。お前って奴は。
今僕に向けているそのナイフが怪しく光る。
 
恐怖に脅えたような顔をして
そんなに僕が恐いのかい?
お前は誰よりも知っているはずだ。
傍でずっと僕を見てきたのだから。
 
僕が一番弱い人間である事を
 
手が震えてるよ、覚悟したんじゃなかったの?
それとも何?やっぱり罪人になるのが怖くなった?
僕と同じ人間になる事が。
そのまま泣き崩れても、僕は何もしてやれないよ?
 
言葉で傷つけて
言葉で癒して
言葉で決意し
言葉で団結した
 
全てが虚実だったというならば
全てが無意味だったというならば
 
僕を殺してみるかい?
その震える手で
 
僕を殺してみるかい?
怪しく光るそのナイフで
 
 
 

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