大好きだと思えば思うほど
大切だと思えば思うほど
いえない言葉がある
いえない気持ちがある
膝を抱えて蹲ってる僕に
なにがあったのかどうしたのか
そう訊いて来る貴女に
僕は何の返答も出来ずにただ蹲る
殻に篭って周りを隙間から覗いても
動いていく景色は速すぎて
僕を受入れてはくれない
どんなに不安を抱えていようとも
人間は生きていくと言うのに
蹲った僕が考える事は
言葉にするには寂しすぎて怖すぎて
それでもそれが僕の本音の気持ちで
でもそれは貴女に対する裏切りで
だから喉まで出掛かったその言葉を飲み込んだ
陽だまりの中で生きるには
僕は闇を知りすぎた
僕の中に深く根付いた
僕自身の深い闇
それに気がついたのはもう遠い昔の事だった
いえない苦しさを抱きながら
言ってしまった未来を想像する
貴女は大切だから
あなたは大好きだから
僕にとってかけがえの無い人だから
傷付けたくないんだ
僕の言葉で
僕の抱えている気持ちで
傷付けたくないんだ
僕は貴女の幸せを祈るから
僕にこれ以上深入りしないで
蹲った僕に何度も同じ言葉を呟きながら
僕の反応が返ってくるのをひたすら待ってる
僕は顔を上げてゆっくりと笑う
せめてその笑顔で貴女が少しでも安心するように
貴女は僕がいるだけで良いって言ってくれるけど
それではダメな事くらい僕自身気付いてるんだ
雨音がいっそう激しさを増すように
僕の心の歪みも更に大きくなるから
気付いて欲しくない
貴女にだけは真実の僕を見て欲しくない
こんなに穢れていて汚い
貴女には理解できない感情を持った僕を
お願いだから見ないで
せめて貴女の前では
『イイ子』の僕でいさせてください
大切だって思えば思うほど
大好きだって思えば思うほど
いえない言葉がある
いえない気持ちがある
だからこれ以上深く入り込まないで
ここから先は僕のテリトリー
知りたいと願わないで
僕自身が壊れてしまうから
堕落していく僕を見るのはつらいでしょう?
だったら手放してください
貴女から関係を切って下さい
貴女ならそれが可能でしょう?
独り孤独になれば
何も考えずに路頭に迷えば
僕はそれなりの場所へと行き着くでしょう
僕は貴女の幸せを願うから
僕を切り捨ててください
僕がいたら迷惑ばかりかけてしまって
僕がいたら悲しい想いばかりさせてしまって
貴女はそれでも幸福せだと言ってくれますか
ありえない望みなのかも知れないけれど
これ以上迷惑をかけることも
貴女を悲しませる事も無いように
僕はあなたから離れたい
大好きだから大切だから
貴女には幸せになって欲しいから
僕は逃げます
貴女と言う優しさから
僕は逃げます
貴女と言う温もりから
貴女には誰よりも幸せでいて欲しいから
罪深き僕の傍には
その明るい光は望めないから
貴女を護って闇を戦い抜く事は
僕にとって不可能な事だから
お願いです
誰よりも幸せそうに笑ってください
それで全てが終わるから
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