それは、小さな小さな箱で。
それは、僕がいるには窮屈な場所で。
ココは何処だろう。そう思ってあたりを見渡す。目に付くものは、壁。何の変哲も無い、それでも少し薄汚れた、そんな感じの壁。
一体僕は何故ココに居るのだろう。そう考えても答えは出ず、たまらなくなって考える事を止めた。
それが、僕がここに来た最初の日にやったことだ。
たとえどんなに無駄だと言われようとも。たとえそれがどんなに困難だと判っていようとも。外を夢見る。ただそれだけしか出来ない。逃げ出すだけの、ココから出るだけの力は、僕には無い。
溢れ出す負の感情を、最早止める事などできなくて。流れるままに放っておいた涙は、何時の間にか枯れ果ててしまっていた。もう、涙も出ない。
これは、寂しいと言う名の感情なのだろうか。それとも、悲しいと言う名の感情なのだろうか。それすら曖昧で、抱え込んだ膝に顔を埋めた。
誰も居ない、部屋と言うには殺風景なこの箱の中。僕は何も考えられなくなっていた。考える事が無い。それも事実だった。
逃げ出そうにも方法が無い。頑張ろうにも打ち込める物も無い。この状態で何ができるだろう。この無力でちっぽけな人間に。
次第になくなっていく気力。不思議な事にお腹はすかない。人間の欲望の一種である食欲が無い。それはある意味で、ココが現実ではない事を物語っているようだった。
孤独に耐えうる精神力、そんなものは無いけれど。外の世界の移ろい行く速過ぎる時の流れは、確実に僕の心を蝕んでいた。だったらココは、ある意味では楽園なのかもしれない。
それならば何故こんなにも虚しいのだろう。何も感じなくなったかと思えば、そこには空虚感だけが残っていた。それは一体何のためなのか。
前へ進みたいと願えば願うほど
馴染まなければと思えば思うほど
焦りばかり募り空回りする。
ココは窮屈な箱。
僕の心の中。
ココは窮屈な箱。
現実世界とリンクする。
ココは窮屈な箱。
自由という名の鎖と
社会という名の錠で硬く閉じられた
ココは
窮屈な箱
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久々即興詩。
ひたすらにマイナス方面ですか?
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