今思えば、全てが夢だったんじゃないかと思うほど、君と過ごした日々は現実的ではなかったのかもしれない。
 
 
 突然君が、置手紙一つで姿を消した日は、快晴で、屋上からは遥か彼方に今の今まで争ってきた隣国の国境壁が見えそうだった。
 そこから馬を駆って半日で、隣国の首都につく。君は、どの道を行ったのだろう。
 君が、どの方面に行ったのかも判らないのに、僕はただ、果てに霞む国と国とを隔てた壁を見つめていた。
 あの男も一緒に消えたって事は、一緒に行ったって事なの?それとも、ただの偶然?
 確かに終わったよ。君達傭兵は必要なくなったよ。だけど・・・
 僕らは友達だったでしょ?何も言わないで出て行っちゃうなんて酷いよ。せめて、お別れの挨拶をさせて欲しかった。
 庭になったフィッグの実は甘い匂いを漂わせている。花梨ちゃんが居なくなった時支えてくれたのは君だった。何時だって辛い時は傍に居てくれたのに。
 急に居なくなったりしないでよ。心の整理がつかないよ。
 そう言えば君はきっと
「お別れを言った方が辛いだろ」
 そう言って、また僕に背を向けるのだろう。
 
 
 僕は君の事何も知らなかった。人伝に聞いた君は、あまりにも僕が知っている君とはかけ離れていて、信じられなかった。
 いつも優しく微笑んでくれて、いつも穏やかな表情をしていた君。どれだけの悲しみを今までの間に抱え込んできたのか、どれだけの苦しみを抱えてきたのか、君の過去について僕は一切知らない。
 知りたいと願った時もあったけれど、いつか君から話してくれると思っていたから。
 でもその前に君は去ってしまった。僕は僕の事で精一杯で、どれだけ君に支えられてきたのか区別がつかないくらい。君は確かにここにいて、確かに僕の傍らにいて、確かに僕を支えてくれていた。
 君が居たから僕はここまでこれたんだよ。
 
 
 ずっと、ずっと一緒に居られるとは思っては居ないけれど、もう少し一緒に居て、この国の建て直しを、一緒にしてくれるんだと思ってた。本心は、ずっと一緒に居たかった。
 ねぇ、君は僕と一緒に居て幸せだった?僕は君からたくさんのものを貰って、支えてもらって、言い表しようがないくらい君に感謝してるよ。それに、僕は君が居たから僕で在れたから。弱い弱い心を支えてきてくれたのは君だったから。
 君にどれだけの事を返せたのかな。凄く心配になるよ。
 
 
 
 僕はここに居るよ。いつ君がここに戻って来ても良いように。
 僕はここに居るよ。君がこの国を見て驚くくらいに立派な国にする。
 僕はここに居るよ。いつでも民の笑顔が耐えないこの国に。
 僕はここに居るよ。君を迎えて飽きるほどいい所を聞かせて困るほど美味しいものを食べさせて・・・
 君の居場所をここに作ってもらえるように。
 
 
 
 だから
 僕はここに居るよ、アキラ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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短文。ジャンルとしては時のカルテですか。
アキラとサザが別れた後、サザの心境。
本編と関係無いなーと思いつつ、思いつきで書いて見ました。
んー、今一、文がまとまってないですね。嗚呼。
そろそろHP更新再開したいのですが
今ひとつ体調が優れぬゆえ・・・(とか言いつつもう何ヶ月だ)
クリスマスまでには更新します!!多分!!
 
 
日記はこうして気軽に書いてるんだけどねぇ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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