紫陽花の時期が過ぎ、瑠璃色の空にはミルキーウェイが鮮やかに流れる。
あれの一つ一つが自分で発光する太陽級の星星なのだと思うと、この星の小ささと、そして何より自分の小ささを思い知る。
そして、自分の中にはたくさんの命。
植物、それを育てたバクテリアや、小さな虫たち。
動物、そしてそれを育てたたくさんの植物たち。
人間なんて自分で光ることもできない。
武器を持たないとこの食物連鎖の真ん中辺りにしか位置しない生物なのに。
何故にこんなにもたくさんの命を喰らって生きているのだろう。
朝もいで食べたみずみずしい真っ赤に熟れたトマト。
朝露にぬれたそれは、無農薬栽培のおかげで洗う必要性もなく、そして高原のおかげで適度に冷やされていた。
かじりついた先からこぼれ出る雫は、それも確かな生命の証。
幾多の命を犠牲にして成り立っているこの身体。
たくさんのものに感謝して、たくさんの命に敬意を払って。
それでも、なぜ僕は考えてしまうのだろう。
僕も何かに食べられる存在だったら良かったのに、なんて。
それなら少しでも生まれてきた意味が理解できたのに、なんて。
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短かっ!
まぁ、それもそのはず、SSというより散文だから。
お題を使ってなんでこんな痛い話を書いてるのだろう。
でも常々思ってることなんで。
お題:『紫陽花』『瑠璃色』『みずみずしい』
お題提供:たんぽぽ様
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