三浦綾子・原作
    「銃口」
       presented by 前進座
 
 
 
一幕、二幕構成。
云うまでもないが、かなり長い。
休憩挟んで2時間47分。
 
 
 
前進座さんって云うのは
以前歌舞伎で来てくださったところなので
発声はすごくいい。すんごいよく通る声。
どこかの劇団も見習って欲しい、とか思うのは内緒。
 
 
 
残念ながら情緒不安定で身体が重く
事前交流会にも搬入にも参加できなくて
初っ端から頭を地にこすりつけて謝罪したいのだけれど
 
 
 
胸の中に渦巻くこの感情はなんなのか。
 
 
 
竜太と坂部先生。
そして近藤上等兵。
 
 
つづり方の教育。
 
戦後の教育。
 
 
 
真っ向から戦時中ってときのものは
主人公である竜太が出征中なので描かれてはいないけれど
 
 
族譜でみた、朝鮮の人の創氏改名のことを思うと
最初に出てきた、竜太の家に匿われた
俊明さんが、酷く愛しい。
 
 
そして、日本である差別。
出稼ぎに来た人をずっと差別し続ける。
竜太の家はそんな彼を暖かく迎え入れた。
だからこそのあのエンディングだろう。
 
 
 
よくよく考えれば、日本なんて小さな国なのだから
神風なんて吹くわけないと
どうして教師であるあなた方が気づかなかったの。
 
 
出征して戦って、って子どもが書いたとき
それは人を殺していることだって、どうして教えなかったの。
敵国の人、とはいえ、人殺しだ、って。
子どもにとってはそれはつらいことかもしれないけれど
真実なのに。
 
 
現に竜太は人を殺せなかった。
迷い込んだ中国人をスパイだと上官命令で殺せといわれ
それでも、殺せなかった。
 
 
それでいいじゃない。
子どもからつづり方の手紙が来たとき、嬉しかったの?
それ、でも。
僕も兵隊さんになってたくさんの敵国の兵をやっつけたい。
そんな悲しいことを考えさせる世の中なんて嫌だよ。
 
 
 
他国と仲良く、平和に暮らすのに
戦うための武器は要らない。
 
 
未だにこの地球上で戦争はなくなっていない。
それでも、日本だけでも、完全に戦争放棄しなければ。
 
 
どうして、どうして。
どうしてそんな莫迦なことばかりするの。
 
 
 
 
アニメとかマンガとかの暴力シーンを危険視する前に
戦争でやってきた暴力
特高が行ってきた暴力
 
 
日本人は使命感が強くて
上官の命令には従順で
自分の頭では考えなくて
自分の思い通りにならないことには暴力で服従させる
 
 
そんな人種であって欲しくないんだよ。
 
 
 
胸が苦しい。
もう、どうしていいのか判らない。
 
 
 
 
最後竜太は日本に帰ってくる。
教壇に復帰する。
 
 
それだけ熱い思いを未だに持ててるひと
いるだろうか。
 
 
 
戦争物は痛い。
けれど、直視しなければいけない現実って云うのも
そこには存在する。
無視し続ければきっと、反省しない人間はきっと
また同じことを繰り返すような気がするから。
 
 
 
 

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