動け動け動け僕の時計
2008年7月23日 ネタ帳 コメント (2)苦しみの中で眠る僕の傍には黒猫。
うっすらと瞳を開けることで闇に解けたその身体に手を伸ばす。
ぐでん、と寝返りをうち、無防備に寝息を立てている黒猫はこの寝苦しい熱帯夜でも僕の傍を離れない。
見透かされてるなぁ、と思う。
こいつは僕が悲しかったり寂しかったりすると自然と寄ってくる。
そんなに表情に出るか?
咽喉で音にならない苦笑いを堪えると、そっと撫でる。
薬が切れたか、と思いつつ、足音を忍ばせて階下に降りる。
別に足音を立てたって起きる人間なんていないけれど。
冷たい水を一気に流し込んで、口を拭う。
眠れないのだから薬を飲むべきところか、それとも縁を切るために減薬しているのだから我慢するべきか。
思えば、ここしばらく眠れていない。
その所為か日中だらりと動けなくなってしまう。
これはいい加減眠れるように飲んだほうが賢明か。
明日は予定も入っていることだし。
夏空の下、炎天下の中水が足りないのかしゅんとした背の高い大輪のその黄色の花は、今の僕の気分にも似ている。
僕は他人から見れば所謂ダメ人間で、『引きこもり』とか『ニート』って呼ばれる存在だ。
そりゃ、仕事はできない。人と話すこと自体が恐怖なのだから、といっても他人は理解しない。
そんなの克服すればいい。
みんな緊張するもんだ。
そんな言葉がどれだけ僕を追い詰めるか、そいつらは知らない。
ニートにしたって、直訳すると仕事も勉強も訓練もしてない、ってことだろ。
僕は訓練してるんだ。こうやって外に出て、人と会話して。
そんなことは訓練には入らない、って云われるだろうけれど、僕にとって非常に困難なことには変わりない。
どうして人は一括りにするんだ。
僕は学校に行きたかった。でも怖くていけなかった。『不登校』でも『登校拒否』でもないんだ。
行きたい、って気持ち無視してそんな言葉で僕を括らないで。
この恐怖や行けないことへの罪悪感、そして自己嫌悪、焦りや不安を無視しているから大人は信用ならない。
周りで笑ってるやつらだって信用できない。
気持ちを理解する、ってとっても難しいこと。
話を聴くのも大変だし、僕みたいに話すのが得意じゃないやつだっている。
重たい気持ちをそのまま受け止める、って大変だ。
だからすぐにアドバイスしてそっちを見ないようにさせるんだ。
暗闇の方向じゃなくて、光の方へ。
でも僕はそっちに向きたくても向けないんだ。
どうして僕の気持ち無視するの?
どうして理解ってくれないの?
そんな疑問符ばかりで余計に不信感が募る。
大人は生きてきた分だけの経験値がある。
それでも僕は大人の半分も生きちゃいないんだ。
そして大人が似たようなことを経験していたとしても、それは僕の経験とは違う、感じ方だって違う。
無理やりアドバイスを聴かせて、光を見せようとするのは、それは僕の感情を殺せ、ってことでしょう?
僕の感じたことなんて取るに足らない、だから無視する、ってことでしょう?
胸の中のもやもやを消化しないまま、大人になるってどういうことだか、理解して云ってるの?
今僕は世間で言う大人の枠に分類される年齢になったけれど、胸の中の未消化のもやもやが、年齢と共に増え続けて、無理やり目を逸らして来たものと向き合わなきゃいけなくなった。
無理やり目を逸らしてきたのはアドバイスのおかげだよ。
それで僕は今までずっと目を逸らしていたおかげでその場をやり過ごすことができた。
でもずっとずっともやもやは消えないんだ。
この苦しみをなんと云ったら良いんだろう。
なんと表現したらみんなに伝わるんだろう。
空の色が藍色に変わっていって、僕の悶々とした気持ちを闇色に変えていく。
それでも僕は諦め切れないんだ。
誰でもいい。誰か僕を理解して。この場所から連れ出して。
死という選択肢しか考えられない僕に、足りない頭でも理解できる手を差し伸べて。
何年苦しめば、僕は僕を許せるの。
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お題:『ひまわり』『あきらめきれない』『藍色』
お題提供:たんぽぽ様
痛い話ができました。
海梨さんは一括りにされるのが嫌いです。
海梨さんは海梨さんだけなのです。
この恐怖心は、フツーのひととは違うから。
きっと理解されないんだろうな、と思うと哀しい。
コメント
痛いけれど、大切なこと。
誰にも理解されないと思う苦しさ。
私と海梨さんは年齢もいろんなこと違うけれど
ちょっとだけ似ているところがある・・・
そう思いながら読みました。
話をするのが苦手なこと
(話だけじゃないけど・・・苦手はいっぱい)
今日もうまく言えなくて
「わからない」と言われてしまいました。
こんなんで仕事していると言えるのかなぁ・・・。
ひょえ・・・。私が愚痴ってどうする・・ですよね。
ごめんなさい。
と言うわけで・・(どういうわけだ?)
お題で、三つも書いてくださってありがとうございます。
私も苦手なものいっぱい在ります。
まず、人間が苦手。(対人恐怖)
話すのが苦手、会話の間の沈黙が苦手。
フツウの日常会話が苦手。(ぺちゃくちゃおしゃべりダメ)
冗談が通じない。
自分の気持ちを声にするのが苦手。(リハビリ中)
たくさんの人ごみに入るのがダメ。
香水の匂い、お化粧の匂いがダメ。
眠るとき、人の声がするとイライラして眠れない。
ちょっとの人工的光があると、まぶしくて眠れない。
怒声罵声を生で聴くのが苦手。(TVなら別世界認識)
スーパーの洗髪関係、洗剤関係コーナーを通れない。
注意力散漫なので割れ物コーナーを通れない。
何か抜けてることがあると、とても落ち込む。
自己嫌悪の嵐が吹き乱れ、自分なんて要らない、という結論に結びつくんです。
視覚、聴覚、嗅覚が異常に反応するんですよね。
良いこともありますが、悪いことのほうが多いです。
例えば、学校で旅行に行ったときの夜のおしゃべりに耐えられない。とか。
愚痴言ってくださって良いですよ〜
それではコメントありがとうございました。