僕が探し続けた 君の音
2008年11月4日 金色のコルダ コメント (2)君とであったのは、海の見える公園。
否、正確には出会ってなかった。
だってあれは、僕の一目惚れ。
君は僕の存在にも気づかずに、愛しそうにバイオリンを奏でていた。
爽やかな風が吹く午後、あの頃はまだ新緑が目に優しくて。
そのあと何度もあの公園に足を運んだけれど
全然君に出会えなかった。
僕の目を捉えて離さなかった君の姿。
僕の心を捉えて離さない君の音。
僕は知らずの内に君を探して、君を求めた。
君の制服を見て、ちゃんと学校名はわかってるのに
会えない間に気持ちが育って、何度行っても会えないもどかしさに
僕はとうとう君の学校へ編入する決心をつけた。
そして迎えた転校初日。
この学院は音楽に溢れていて、とても気に入った。
そして、なによりも。
君にまた出会えたのが嬉しくて。
まさか普通科とはいえ、同じクラスになるなんて思わなかったよ。
だからこれはもう奇跡だとしか思えなかったんだ。
前の学校の友達には『お前それ、生きてる人間?』とか云われたけど
ちゃんと君は存在していて、そして僕の目の前に居る。
そして今、僕らは一緒にアンサンブルをしている。
おかしいね。これは何の運命の悪戯だろう。
ヴィオラをやっていること何て、ホントは明かす気なんてなかった。
憧れていた場所、嫉妬すら憶えていた人たちの輪の中に
今、僕は居る。
全ては君のおかげ。
君の音は僕の理想そのもの。
そして君の周りの人たちは、僕の過去のトラウマでもあるけれど
それでもすばらしい音をもっている人たちばかりで、僕はとても嬉しい。
耳が良いのは自負してるから、それは理解してるから。
君の演奏が、君の音がもっと聴きたい。
レモンイエローに移り変わった季節もものともしないくらい
僕の気持ちは更に熱くなっていくんだ。
君への想いは、さらにもっと――――――
「日野さん、寒くない?」
「ん、まだ大丈夫」
「日野、あんまり無理すんじゃねぇぞ」
「あはは、ありがと、土浦くん」
「でも先輩、少し手の感覚、鈍ってきませんか?」
「もう、冬海ちゃんったら心配性! 私なら大丈夫。
それにしても森の広場も大分色づいたよねー」
「そうですね。この季節は移ろうのが速いから・・・曲で云うなら・・・」
「わー!志水くん!? そのまま寝転ばないでっ!」
「お前さんたち、一体何をやっているんだ?」
「あ、金澤先生!」
「何って、見てわからないですか? アンサンブルの練習ですよ」
「否、おれにはお前さんたちがじゃれあってるようにしかみえんかったな。
そうだ日野、お前さんちょっと話があるから後で準備室こいよ」
「え? なんですか?」
「まぁ、なんだ・・・コーヒーでも淹れてやるから、あったまるぞー。だから、文句は云うなよな」
「って、金やんまさか、日野にも?」
「おぉ、そういうこった。ここで云ってもいいが、まぁ、アンサンブルの和は乱したくないしな」
「今充分乱してる人が云うことじゃないですよ、金澤先生」
「おぉ、手厳しいなぁ、加地・・・。っつーわけだ。あとでちゃんと来いよ、日野」
「はぁーい」
アンサンブルの練習ってなると、どうしても大人数になるのが常だから
2人きりの練習って、なかなかできないんだけど
でもまぁ、こんな風にでも、君と音を合わせられるのは幸せ。
その幸せを噛締めていたら、頬が緩んでしまって仕方ない。
僕は君の音楽が好きだよ、日野さん。
今でも、そしてこれからもずっと―――――――
==========================
お題:『レモンイエロー』『海の見える公園』『温まる』
お題提供:たんぽぽ様
激しく自己懺悔。
加地が激しく偽者でごめんなさい。
だって彼の性格を把握するほど2をプレイしていないからっ
(否、加地ルートを、ね)
しかしまぁ、彼は文系なのでレモンイエローという表現をするかどうか・・・
その辺がちょっと曖昧です。
もっとなんか大仰に云いそうな気がするんだけど、な。
季節としては秋、ということで、クリスマスコンサート前ってことで。
と云うか、この組み合わせのアンサンブルなんかあったかな、とちょっと疑問。
月森、火原、柚木様抜きのアンサンブル。
ちょっと無理くね?とは想う。
だって演奏楽器がバイオリン、ヴィオラ、チェロ、クラリネット、ピアノ。
この組み合わせのアンサンブルなんてあったかなぁ、と想う。
弦楽四重奏だと月森入らなきゃいけないし。うーむ。
・・・・・・否、別に冬海ちゃんとかは先輩の様子が気になって・・・とか云う理由で
アンサンブルに関係ないけど来てても良いんだ。
しかし、普通科3人組に1年生という取り合わせはなかなか無いんじゃなかろうか。
・・・その点では月森君を出さなかった自分を褒めよう。
あの人こない。絶対こない。この面子じゃ・・・
2年生組で集まりたいと天羽ちゃんがアンコールでのたまったのだけれど
あれは実現するのかな・・・・・・
あれだけ嫌だ嫌だ云いながら、書いてしまった加地でした。
海の見える公園、ってお題を見た瞬間に
加地しか思いつかなかったんだもんーーーーっ。
コメント
転校して、大好きな君と同じクラスになって
一緒にアンサンブルができるって
とてもいいですね~。
こちらも、わくわくしながら
読ませていただきました。
うぅ、やっぱり小説だなんてたいそうなものじゃないです・・・
でも楽しんでいただけたなら幸いです。
個人的にコルダはメインの皆が好きなので
2からの中途参加で議員さんの息子で、医者の孫という
お金の価値観がずれちゃってる加地くんは、私のお気に入りではないんですが
加地が日野ちゃんをみつけたのが、海の見える公園、だったので
今頭がコルダ祭り開催中の私としては、渋々ながらもお相手が彼だったのです。
(現在アンコールにて引継ぎ加地ルートプレイ中なのです)
久しぶりの創作が二次創作って、どれだけ自分はゲームに侵されているんでしょうか。
それではコメントありがとうございましたv