ありえたかもしれない未来
2011年5月9日 ネタ帳跳ねる 跳ねる 跳ねる
そこに鳥が飛来して 嘴に咥えて持っていく
それを遠目に見やって まだ夢の中のように思う
「・・・部屋にいないと思ったら。まだ寝てろよ、この重傷者」
「・・・・・・赤髪」
振り返ればそこにいたのは 弟をこの海へと連れてきた男
判っているのはどうやら おれは この男に救われたらしいこと
「すまねェ」
「俺にいうことじゃないさ。やったのはあいつだ」
そういって指をさした先 視線を辿れば 懐かしい少女がいて
おれは何故だか 泣きそうになった
「エース! 何やってんの、まだ寝てなさいって!」
赤髪の船は白ひげと遜色ないほど大きい
その船内を駆け回ってきたのか 彼女の息は上がっていて
「お前が、おれを?」
「まだ脈があったから、ギリギリね」
そういってぽふりと頭に手を置かれる
身長差の所為で彼女が背伸びして めいいっぱい背伸びして
あぁ あれからどれだけの月日が経ったというのだろう
子どもだったあの頃は 普通にぽんぽんと頭を撫でられていたのに
今はこんなにも視線が違う 身体つきも違う 力の強さだって違う
「~~~~~~っ」
「ちょ、エース!?」
震えて蹲るおれの頭上から 彼女の慌てた声が聴こえる
「ごめんね、あんた助けるのに精一杯で、というか、私がついたときには白ひげのおじ様は・・・」
おれの考えを知ってか知らずか オヤジの名前を出してくる彼女に
頭をブンブンと振ることで否定する 違う お前を責めている訳じゃない
ただ 敬愛するオヤジを失ってしまった喪失感を どうしても埋め合わせられなくて
「る、ルフィは多分大丈夫よ? なんとかっていうルーキーが連れて行ってくれたらしいし、生命反応はあるから」
こいつの感知能力は半端じゃないことは理解している
だからこそ おれを助けることに全力をとしたんだろうと そう思う
その時点でオヤジはもう 助からないんだと知っていたんだろう
だからこそ
「お前は何でおれを助けられるタイミングで」
「・・・・・・!」
「お前ならあの戦争を止められただろう?」
「・・・・・・・」
おれの言葉に沈黙する彼女に おれはもう何もいえない
そんなおれに 彼女はため息を零すと 淡々と告げる
「私だって私の力のコントロールができる訳じゃないの。
勝手気ままに動いていく身体にあわせて状況を見極めているに過ぎないの。
エースだって今回はたまたま居合わせたから助けることが出来た、ただそれだけのこと」
タイミングが悪ければ、あんただって死んでたわ
そう告げる言葉は 悪意などこもっているはずもなく
その言葉が痛いはずなのに どう取っても 優しいとしか感じられなかった
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IFエースが手遅れでなく、うちのはちゃめちゃな設定のお嬢さんが頂上決戦終了間際にトリップしてきたら。
即行でエースを助けると思います。そしてガープじいちゃんにだけ、エースは生きますよ、とかいうんだ。
一人称がひらがななのが苦戦したとか云わない。
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