知覧・青春~アイ・アム・ヒア~
2011年5月14日 演劇 コメント (2)「知覧・青春~アイ・アム・ヒア~」
presented by 劇団道化
天寿を全うしたキョウコさんが、天国にやってきて
特攻隊員としてあの日飛び立った、好きだったヨシヒコさんが天国に来てないか
天国のリサーチを使って調べてもらう。
けれど、天国のリストには、その名前がなく。
特別に調べてもらうことが出来るという。
調べられるのは、ひとりだけ。
天国のリストにないということは、地獄に行っている可能性もあるという。
キョウコさんの若き日を再現して
何がヨシヒコさんにあったのか、それを確かめるお話。
知覧とは、鹿児島にある、特攻隊の基地。
キョウコさんは、両親を亡くして、おじおばに養ってもらっている。
おじさんは、学校の先生で、英語を教えている。
キョウコさんとヨシヒコさんは元々博多での幼馴染。
両親を亡くした彼女がこちらに移って、久しぶりに再会した。
・・・・・・・・おじさんが、とても良い人でした。
というか、何役やってたんだ、あの人。
えっと、天国の人、それからおじさん、トメキチさん。
しかし、おじさんとトメキチさんの二役を同時にこなさなきゃいけないのは
とても大変そうだった。
いや、袖で会話だけが聴こえているんだけれど
あの人、声が潰れてトメキチさん声になってるんじゃなくて
本気で演技で使い分けてるんだ、って想ったら、本当に尊敬の思いでいっぱいになって・・・!
キョウコさんとヨシヒコさんの純愛は
見てて恥ずかしくなる感じの、同じ空間にふたりっきりの恥ずかしさといったら、もう!
甘くなるわけではなく、ひたすらに、恥ずかしい。
恥ずかしさが伝染してきて、うきゃーーーーっってなるくらいには恥ずかしい。
手が触れちゃったと気づいたときに、うわっっと飛びのくのが
漫画だったらじったんばったん悶えたいくらいに・・・!
何、微笑ましいの通り越して、いや、もう、やめて、みせつけないで・・・!的な何か(何かって何)
ヨシヒコさんの活舌の悪さはあれは演技なのか、素なのか。
後ろの方はきっとセリフ通ってないだろうなぁ、などと想っておりました。
そんな海梨さん、実は今回、前から2列目でした。
母とも席が離れておりました。
なんでか・・・って?
エキストラ、やらせて頂きました。
実はこの作品、劇団道化と九州の子ども劇場の青年が協力して創った作品なのですが
如何せん、九州地方を周るので、劇団出演者は5人。きっかり5人。
でも登場人物は主要がキョウコ、若かりし日の再現キョウコ、ヨシヒコ、トメキチ、おじ、おば、天国の案内人3名
ヨシヒコさんが何役もする訳にはいかないので、人数が足らない。
ただでさえ、おじとトメキチさんは無理矢理早着替えもあったりしながらやりくりしてるのに。
それに加え、戦後トメキチが商売するのを追うチンピラ2名と
キョウコさんが働いているバスにトメキチが乗ったときに乗り合わせたバスの乗客が足りない。
そこは、現地調達。
元々、学校公演が多い劇団道化さんなので、先生と生徒が子分と親分と立場を逆になったり。
校長先生が乗客になりたいがために、違う学校になっても呼んでくださることもあるんだとか(苦笑)
ってことで、海梨さんも乗客やらせて頂きましたっ!
脚本を書かれた、篠崎さんとお話させていただいたときには
まんま、帰国子女という肩書きで、とか笑って云われましたが
トメキチさんのセリフからすると、あれは、冗談だったんだろうなぁ、と。
だって、それだと、スーパーとか知ってる設定になっちゃうから
あそこで『知ってる知ってる!』って云わなきゃいけなくなっちゃう。
皆さんと話をあわせるためには、戦中、戦後、ずっと日本にいたことにしなければ。
というか、海梨さんのお話、やっぱり解りにくいんですね。
舞台上でのどういう設定で、っていうのを考えながらの時に
劇団の(若かりし日の再現キョウコさん役)方に、立ち位置は椅子のギリギリくらいで
といわれてたのに、みんながどんどん下がって行っちゃうから
その後、会場までの間に他のエキストラの子に
「立ち位置なんですけど、みんなどうしても、後ろに下がってっちゃうんですよね」
って云ったつもりなんだけれど
本番随分と後ろにみんな行っちゃって。
傾斜のあるセットなので、そんなに、自分ひとりだけ前に出るのも妙だし。
トメキチさんが海梨さんの役には意地悪するんですよね。
寸前まで、どういうリアクションで切り返そうか迷ってました。
アドリブ大王らしいし、ひょっとしたら本番では意地悪しないかも、って想ったし。
結局、リハ通りに意地悪されたんですが、じとりと睨みつけるほうが良かったのかな。
それとも、何か云ってやった方が良かったのかな。
今では何が最善なのか、良く判らないけど、舞台を纏め上げるのって大変だろうし
海梨さんが舞台を壊してもいけないしなぁ。
ちなみに、トメキチさんは、スーパーを開く宣伝用に
キャンディを乗り合わせた乗客に配ってくれたんですが
海梨さんの乗客にだけ、意地悪いんです。むぅ。
それに関しては、海梨さんの乗客は、本番は、くれないなら良いよ、ってそっぽむいたりしたんですが。
リハのときはじとりと睨んでみたので、そっちの方がよかったのかなぁ。なんて。
バスに初めて乗る、という設定で、やたらめったらバスに感動するんですが。
というか、客席からの登場なので、一回立ち上がったと思ったら、なんでか座っちゃった。
勢いつけすぎて飛び上がって客席に舞い戻ったという失敗をしながら
なんとか舞台に上って行き、傾斜のあるセットに本気でよろめいて
明らかに、バスにはじめて乗りました、状態の海梨さん。
おかしいな。初めてバスに乗ったときはよろめかなかったのに。
色々、リハでの設定を踏まえて、バス発車、バスでひと悶着あって、到着。
トメキチさんにスーパーに来てねーと云われながら舞台を去っていく、という。
バスに乗っているという演技をどの程度やったら良いのかなぁ、と思っていたのだけれど。
発車時、つり革、ガタガタ、ブレーキ、反動・・・・・・
それだけでも、結構時代がでるなぁ、と思ってみたり。
今の車だと、そんなに揺れなかったり、ブレーキゆっくりだからそんなに反動なかったり
いや、まぁ、ある程度あるけど。
あの当時のバスが、どういう程度なんだろう、って思ってみると、かなり大袈裟に動く身体。
でもまぁ、舞台劇だから、大袈裟くらいが丁度良いんだろうけど。
その後の、トメキチさんとキョウコさんだけのバスも、結構揺れてたし。
篠崎さんから、カーテンコールでひょっとしたら劇団員と一緒にプレゼントが貰えるかも知れないですよ
と聴いていたにも拘らず
それを忘れて、自分の役がすんだら、あまりにも暑かったのでとっとと現代に変身を解いてしまった海梨さん。
元々、頭おさげで、手荷物にもんぺを入れ
格好はタンクトップに学校のシャツを羽織り、下は短パンという格好で行っていたので
もんぺを脱いで、止めていたボタンを全開にして袖を捲れば、現代に簡単に戻ってしまう
すごくお手軽なタイムトリップだったのです。
リハ終了後、もんぺをはく前にシャツだけしめてうろうろしてたら
『やっぱりみつあみだよね!』と声をかけられるかけられる。
うん、皆さんいい人なんだけど、ごめんなさい、咄嗟にお名前が出てこなくてっ
そして、うっかり忘れたままカーテンコールでトメキチさんに
「エキストラで出演してくださった追手さん、乗客さん、舞台にどうぞ」と云われ
本気で焦る。焦るったら焦る。だって、もう、変身解いてる。一般人に戻ってる。
でも、篠崎さんにそういえば云われてたなぁ、と、これも想定内の出来事、として受け止め
パニックには陥らずに、落ち着いて、壇上へ、奥へと進むしか拒否権はなく
(下手から上がってくるのは2人、上手に座ってるのは9人で海梨さん先頭)
プレゼント係さんがどうやって渡そうか迷っているのを、何故か取り仕切っている海梨さん。
(エキストラの方が人数多く、役者さんが後ろのセットの上にいらっしゃるので渡しにくい)
その後、ありがとうございました、と役者さんに云って、舞台から降り
また、役者さんに拍手。ブラボー!
終演後には
『稚維ちゃんよかったよぉ』ともろバレ。うん、いいんだけど。
『今日だけでやったの?』と訊かれたのには、まぁ、劇団の人これるの今日しかないしねぇ、と。
実際には7時始まりの、6時半開場で、エキストラは5時15分集合だったんだけど。
家からホール、滅茶苦茶近いから、家でたの、5時で5時5分には着いてたな。
ちゃりんこちゃりんこ嬉しいなー。
個人的には、ヨシヒコさんが天国に来たラストは良いんだけれど
キョウコさんと離れたあとのトメキチさんとヨシヒコさんの余生が気になっていたり。
否、にしても、トメキチさんのアプローチはものすごかったな。
ヨシヒコさんは音痴設定なのか。
とにもかくにも、楽しませていただきました。
そして、戦争はやっぱり嫌だと、やっぱり思うのです。
コメント
いい体験でしたね。
見たかったぁ・・。
やってる側は客席からどう見えているのかよく解っていないのですが
劇団の役者さんと一緒に演技ができるのはとても良かったです♪
元々私、演じるのも好きですからねvv
知覧・青春は鑑賞会でしたが、一般券も発売されていたのですよ~
私の体調がイマイチだったので、水曜日くらいにやるかやらないかの最終確認されましたが。
普通にチュッパ○ャップス渡されるよりは、いじってもらえて役得でした♪