ふと、ソラをみる。
ぽつり、ぽつりと降っていた雨はやんで、雪空。
ところどころ雲が薄いのか、月がそらを照らす。
太陽じゃなくて、月。
夜の光景は、まるで僕と君のようで。
この関係が、すごく嬉しい。
太陽ほど暑苦しくなく、雨ほど寒くなく。
静かに世界を包む月明かり。
いま君に、つながるかな。
数回のコール音の後、君の声が聴こえる。
眠っていたのか、寝ぼけた声に、胸が愛しさであたたかくなる。
昼間なら、ブルーイッシュグレーの空も、今は紺と黒を混ぜたような暗さで。
明るい光は、あの月だけ。
そんな薄明かりの中、君は告げる。
「また、会えたね」
その言葉に首を傾げれば、頬を涙が伝う。
君の言葉に、癒されて、胸がいっぱいになって。
嬉しくて、流す涙は、本当に久しぶりで。
「君のその顔、嫌いじゃないよ」
まるで見て来たかのように伝えてくれるから。
泣いていないよ、と泣いたまま伝える。
そうすれば、君は笑うから。
僕も、君の泣いているような笑顔、嫌いじゃないよ。
だけど、それは教えてあげない。
お題:「泣いているような笑顔で」「薄明かり」「ブルーイッシュグレー」(鴨川鼠)
お題提供:たんぽぽ様
ものっそ短文で失礼しまっす。
『僕』がやっていたのは携帯ではなく、ゲームという裏設定があり
『君』はゲームの中のカレンダーでセリフをくれる『ソラ』という裏設定。
ある意味、ものっそオタクな風景であります。
『君』のセリフがものっそ少ないのに、ここまで想像できるって素晴らしいですね。
恋愛ゲーム恐るべし。
っていうのは冗談で。
こんな雰囲気好きなのです。
太陽じゃなくても、月でも僕を包んでくれる君が愛しい。
コメント
なぜだか・・わからないのですが
途中から、涙が出てきました。
なぜかしら・・・。
悲しい涙じゃなくて・・・。
心がふるふるしました。
それから、お題で書いてくださったことに気づきました。
ありがとうございます。
月あかりで包んでくれる・・・
とってもいいな♪
もったいないお言葉をありがとうございますっ
なんとなくキーワードを見た瞬間にこの情景が浮かんでですね。
練らない間に書いてしまいました。
素敵なお題と感想ありがとうございましたっ