夕闇に白く輝く
月を愛でながら
大切な誰かを思い浮かべ
そっと目を伏せる
温もりは確かに
そこにあったというのに
ここにあるのは
ただ冷たく吹き荒ぶ風だけ
個体としての存在を記憶の彼方に押しとどめ
新しい記憶でそれを隠すように塗り重ねて
それでも
それでも
あなたへの想いは変わらず
この胸の中に息づいて
冷たい風が心地よいほど
頬を上気させるのだから
まだ
まだ
この気持ちに名などつけず
そっと余韻に浸っていよう
頬を伝う雫のことなど
見ないフリをして
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恋歌のような哀悼のような
少し切ないそんな言葉が紡ぎたくなった
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