『許さない国』
防衛線は始めに展開した時よりも後退している。国の城壁が、もう肉眼でも見えるようになってしまった。
脅えたような瞳が多くなりながら、自分たちには、相手を傷つける術は無い。
食料も、滞ってきている。戦争自体を望まない市民達が、クーデターでも起こして、食料が尽きてきているのだろうか。
寒い、寒い・・・相手から受けた傷口が化膿している。もう、目も霞んできた。医療班はもうとっくに撤退していたっけ。
ひっきりなしに矢が飛んでくる。それを拾い集めて、自分たちは火を起こす。
自分たちはそれを武器として使ってはならないのだ。
よろめく足で、地面に足をつけて踏ん張って、やっと、やっとで敵の前に立ち塞がる。
薙ぎ倒されるかもしれない、それでも、護りたい。
ドサッという音が聞こえた。嗚呼、また味方が倒れたのか、そう思った。
でも違った。違ったんだ。
必死で掴んだ馬の足。暴れた馬の背から落ちた男。落ちたショックで、どうも内臓をやられたらしい。
起き上がりもせず、横になったまま血反吐を吐く男に駆け寄る。よろめくその足で。
「殺せ、どうせ俺はもう長くは無い」
そう言って自らの剣を自分に渡す男の瞳は、濁っていたが、決意が現れていた。
「・・・・」
柄を持って、その重たさに思わず落としてしまう。男は、その様に苦笑していた。
もう一度、手にとって持ち直すが、手が震えて剣はカタカタと音を立てる。
「急所はココだ。外すなよ」
喧騒の中でも確かにはっきりと聴き取れるその声は、どうしても死に行く者の声には聴こえなかった。
「お、俺には出来ない・・・」
そう一言呟くと、男は観念したように一言、そうか・・・と言った。
「なら、俺を殺してくれる『誰か』を探すしかないな。お前、適当な、お前より出世欲のある奴をつれて来い」
戦争なら、戦果を上げた者が上に行くのが当り前だと言わんばかりのその言い草に、自分は恐ろしくて震えてしまった。
確かに、その男の言う通り、自分はこの男の最期を告げるのにはふさわしくないだろう。だが―――・・・
「・・・俺たちの国にはそんな奴は居ない」
彼らは気づいていなかったのか。自分たちが何も仕掛けてこない事を。強固な壁を作り上げるだけで、何も武器を持っていないことを。
国に帰れば刃物はある。狩をするための矢や銛もある。鉄工業が進んでいないわけではない。
それでも―――――
「俺たちは人を殺せば、皆自決する。自ら命を絶ちたいと願う者は、ここには居ない」
男は驚いて、細めていた目を見開いた。
「それが例え、戦争だとしてもか?」
「戦争だろうが、何だろうが、そんなのは関係無い。人を殺せば、自分も死ぬ。
たった1人、それが過失だったとしてもだ。
俺は自分の家族を悲しませたくない。だから、お前を手に掛ける事は出来ない。
他の奴らも、皆同じだ。死にたいなら、同胞にやって貰え」
喋っていると意識がまた朦朧としてきた。そのまま、重力に逆らわずに倒れこめば、やはりこの男が地面に落ちた時と同様、鈍い音がした。
「まぁ、お前がこのまま死んでしまったら、どっちにしろ俺はどうせ死ぬがな」
その男の最期を見取ってやれないが、今はもう、意識を保っている事さえ困難だ。荒い息遣いが隣で聴こえる。
自分のも頭の中でやけに反響して、煩い。脈打つ音も、息遣いも、煩い。
「被告人に死刑を言い渡す」
隣に寝ていたはずの男は息を引きとって、どうして自分は生きていたのだろう。
自責の念が、胸を突き上げる。
結局自分は家族を悲しませる事になったし、あの男の願いも叶えてやる事は出来なかった。
首吊りの前、一緒にいた同胞がただ一つの真実を伝えてくれた。
『あの男は致命傷を負いながら、陣地まで運んでくれた。それで、お前の命は助かったんだ』
ああ、そうか。だからなのか。自分もあの男を相手の陣地に送ってやればよかったのか。
そうすれば少なくともこの自責の念は、無かっただろう。
「でもまぁ、どっちにしろ俺が死ぬ事に変わりは無いがな」
相手に殺されるか、あのまま放置されて出血多量か、今目の前にある壇上の縄に首をかけるのか。
最期は人を助けたかったかな・・・そんな風に思ってしまった。
そして俺は深呼吸を一つして、台に足をかけた。
+++++++++++++++++++++++++++
救われない話だな・・・
戦場で、人を殺した数だけ勲章なんておかしい。
戦争なんて、無くなってしまえば良いのに。
そんな事を考えながら書いてた。直でごめんなさい。
暗くてごめんなさい。あー、何でだろう。
まぁ、自殺も自分と言う人間を殺すという点では
人殺しなのかもしれない、なんて思いながら。
今思えば、全てが夢だったんじゃないかと思うほど、君と過ごした日々は現実的ではなかったのかもしれない。
突然君が、置手紙一つで姿を消した日は、快晴で、屋上からは遥か彼方に今の今まで争ってきた隣国の国境壁が見えそうだった。
そこから馬を駆って半日で、隣国の首都につく。君は、どの道を行ったのだろう。
君が、どの方面に行ったのかも判らないのに、僕はただ、果てに霞む国と国とを隔てた壁を見つめていた。
あの男も一緒に消えたって事は、一緒に行ったって事なの?それとも、ただの偶然?
確かに終わったよ。君達傭兵は必要なくなったよ。だけど・・・
僕らは友達だったでしょ?何も言わないで出て行っちゃうなんて酷いよ。せめて、お別れの挨拶をさせて欲しかった。
庭になったフィッグの実は甘い匂いを漂わせている。花梨ちゃんが居なくなった時支えてくれたのは君だった。何時だって辛い時は傍に居てくれたのに。
急に居なくなったりしないでよ。心の整理がつかないよ。
そう言えば君はきっと
「お別れを言った方が辛いだろ」
そう言って、また僕に背を向けるのだろう。
僕は君の事何も知らなかった。人伝に聞いた君は、あまりにも僕が知っている君とはかけ離れていて、信じられなかった。
いつも優しく微笑んでくれて、いつも穏やかな表情をしていた君。どれだけの悲しみを今までの間に抱え込んできたのか、どれだけの苦しみを抱えてきたのか、君の過去について僕は一切知らない。
知りたいと願った時もあったけれど、いつか君から話してくれると思っていたから。
でもその前に君は去ってしまった。僕は僕の事で精一杯で、どれだけ君に支えられてきたのか区別がつかないくらい。君は確かにここにいて、確かに僕の傍らにいて、確かに僕を支えてくれていた。
君が居たから僕はここまでこれたんだよ。
ずっと、ずっと一緒に居られるとは思っては居ないけれど、もう少し一緒に居て、この国の建て直しを、一緒にしてくれるんだと思ってた。本心は、ずっと一緒に居たかった。
ねぇ、君は僕と一緒に居て幸せだった?僕は君からたくさんのものを貰って、支えてもらって、言い表しようがないくらい君に感謝してるよ。それに、僕は君が居たから僕で在れたから。弱い弱い心を支えてきてくれたのは君だったから。
君にどれだけの事を返せたのかな。凄く心配になるよ。
僕はここに居るよ。いつ君がここに戻って来ても良いように。
僕はここに居るよ。君がこの国を見て驚くくらいに立派な国にする。
僕はここに居るよ。いつでも民の笑顔が耐えないこの国に。
僕はここに居るよ。君を迎えて飽きるほどいい所を聞かせて困るほど美味しいものを食べさせて・・・
君の居場所をここに作ってもらえるように。
だから
僕はここに居るよ、アキラ。
++++++++++++++++++++++++++++
短文。ジャンルとしては時のカルテですか。
アキラとサザが別れた後、サザの心境。
本編と関係無いなーと思いつつ、思いつきで書いて見ました。
んー、今一、文がまとまってないですね。嗚呼。
そろそろHP更新再開したいのですが
今ひとつ体調が優れぬゆえ・・・(とか言いつつもう何ヶ月だ)
クリスマスまでには更新します!!多分!!
日記はこうして気軽に書いてるんだけどねぇ。
chotto-ohanashi
2004年10月1日 ネタ帳「なぁ?」
そう言って差し出されたタイヤキの袋から一つだけ貰って頭から齧りつく。もう、西の空は真っ赤だ。
「なぁ?と言われても・・・」
タイヤキのあんこが予想外に熱くて思わずあふあふしながら口篭もる。
橋の下の公園、ブランコのきしむ音だけが風と一緒に聞こえる。
「私、初対面なんだけど」
普通初対面の見ず知らずの女の子に学校であった嫌なこと話すか?と思いつつ、そう言い放てば、その男は事も無げに笑っていた。
「あんた俺と同い年位やろ?せやったら同じ経験しとんとちゃうかなぁ、思て」
元来人見知りなどしない性格なのだろう、その男は自転車をおして帰る途中だった私を呼び止めて隣のブランコに座らせた。
そして延々と彼の学校での出来事を語られたのだ。普通なら呼び止められた事にすら気づかないまま通り過ぎてしまうのに、今日は違った。
何でだろう、と未だに続く彼の話をまともに聴きもせず横顔を見つめる。何であそこで立ち止まったりしたのだろう。
今日は自転車で派手に衝突事故を起こした帰りだった。とは言っても自転車同士の。
微妙に足首とか手首とか色々痛いから早く家に帰るつもりだったのに、何故かこの男に引き止められてしまった。
折れてしまったブレーキが怖くて、結局ココまで歩いて帰ってきたのに、早く家に帰りたいのに、一体何で・・・
気持ち悪い・・・
勢いよく立ち上がった所為で一瞬目眩がするが何とか立ち直り、担当教師に何も言わずバタバタと口を片手で押さえたままトイレへと駆け込む。
幸い隣の教室だったからよかった物の、もう少し遅れていたら吐瀉物をぶちまけてた所だ。とりあえずギリギリセーフ。しかし未だ襲ってくる吐き気の波に洋式トイレでガバガバと景気よく吐いていると朝食がよく噛み砕いたにも拘らず、形と色を残したままで出てきている様が見えた。
やっぱりまだ朝食は無理か・・・
夕食まで出てきてない分だけマシかと思いつつ、出て来るのが胃液だけになった事を確認すると盛大なため息をつく。学校に着いて、しかも3限目過ぎた辺りで吐くってどうですか。大きな音を立てて流れる水に軽蔑の目を向けてみるが、それは自分自身の問題だ。もっと早く吐いてくれれば胃も負担が少なかったろうに。そんな事を思いつつも、うがいをして、取り敢えずは落ち着く。
ストレスからくる胃弱体質。最近は調子が良くて吐かなかったと言うのに『朝食』を胃は受け付けないらしい。今まで反応がなかったのは、まだ食べ物が胃に入ったと認識されてなかったからなのかも知れない。
そうなら話は別だ。胃の働きが鈍い所為でまともにご飯を食べられるのは夕飯位で、胃の精密検査を受けた時、まだ前夜食べた物が残っていた事がある。検査を受けたのは殆ど正午だったから、丸々半日以上掛けても食べた物を消化できないという事。
その頃に比べたらまだ、朝食が出てきた位で驚いてはいけない。2、3時間形を留めているなんて私の胃にとってはそれこそ『朝飯前』なのだ。
しかし何故今頃になって吐いてしまったのか、それがどうにも解せない。しかし派手に教室を飛び出してきてしまった手前教室に戻るのもなんだろう、という気がしてならない。しかも隣だから嘔吐の音も聞こえている。授業に集中しててくれ、受験生諸君。
教室の手前で担当教師を呼び、保健室に直行する旨を伝える。自分でも確認したが、壮絶な顔色をしている私に気遣いの言葉と付き添いの必要性を訊いたが、一人で大丈夫だと返す。いつもこうなのだ。吐く為のエネルギー消費量は半端じゃない。そしてその間殆ど吐きっ放しな訳だから酸素不足になる。
酸欠状態の顔と、エネルギー源が去った後でげっそりとしてしまった顔とは、精神的には元気なので似ても似つかない物だろう。この時間にこれが初めてなのもまずい。午後の授業ならば、昼に食べた物を吐く事が多々あったから。たまに慣れない事=朝食を食べたりするからこうなるんだ。
大抵午後の先生方は、私がトイレに直行した時点で、また保健室行きだな、と思ってくれる。だから私も気兼ねなくフラフラと1人で行くのだが。さすがに初体験の相手にはちゃんとその事を言っておかないとまずいと思い1人呼び出した訳だが、心配性な性格なのか一向に保健室へと向かわせてくれない。
「私の事はいつもの事ですから。先生は授業に戻ってください」
そう言ってみれば、先生も渋々納得したようで。途中また吐き気の波が襲ってくるが必死で抑える。頼りなげに歩いていれば、午後担当教師がその時間は空いているのか途中で、大丈夫か?と声を掛けてくる。それに手をヒラヒラと振りながら苦笑を返せば、相手も苦笑する。
そう、いつもの事だから。心配ないんだ。
「センセー?居ます??」
保健室のドアを音を立てて開ける。すべりが悪いよここの戸。ゆっくりと静かに戸を閉めてソファに腰掛ける。
「あら、珍しいのね、こんな時間に?」
「最近調子良かったから調子に乗って朝食食べてみたんです。そしたら・・・」
吐くマネをしながら自分の体の事ながら呆れ返る。先生もそれに苦笑するといつもの保健室利用カードを差し出す。手馴れた手つきで、そこに記入し、熱も測って記入する。37.5℃。まぁ、微熱といえば微熱か。36度台前半が平熱だから。
そんな事を考えつつ、先生にそれを渡すと、もう一度盛大なため息をつく。
「そんなんじゃ体が持たないわよ?病院に行って点滴してもらった方が良いんじゃない?」
「病院嫌いなんです。点滴はして貰った方が良いんだろうけど。とりあえず夕飯でできるだけ栄養素とって、それからサプリメント飲むしか無いですかね。とりあえず今の所錠剤は吐いてないんで。でもサプリメントでも飲むと腹痛くなるんですよね」
胃が受け付けない。でも精密検査をした所で異常は見つけられない。胃の働きが鈍っているとしか内科では診断されない。メンタル面での治療は素直に受けているものの、いまいち効果が無い。休みの日にブランチとして胃に入れた時は、収まったのが不思議だった。
お腹は空く。けれど食べるのが怖い。寧ろ他の人に食べてもらった方が料理も、食材も喜ぶ気がする。後々外に出されて栄養分も何もそのまま水に流されるよりは。自嘲気味に笑って見せると、先生はそんな風に思わない方が良いと優しく言った。
「横になる?それともお腹温めとく?」
「あー、横になるのは喘息併発してるんで止めときます。毛布在ったらお腹に掛けときたいんですけど」
保健室の本棚から本をとりながら先生と会話する。本を読む位の体力はある。ここに来る度に色々な本を家捜しする。そろそろ部屋にある全ての本を読みつくした頃見かねて先生は長編の推理小説やらホラーやらファンタジーやらエッセイ集やら、たくさんの本を保健室においておくようになった。
ソファに身を預けて、足を上げたままそこに毛布を掛けるのがスタイル。授業に出ていたからといって、これといって問題は無いのだけれど、受験シーズンのこの時期、周りに迷惑掛ける事だけはしたくない。
暫く読んでると、先生が紅茶を淹れてくれた。先生が誰か海外出張に行った時のお土産でパッケージには怪しげな文字が並んでいるけれど、香りはそんなに悪くない。何も入れないままそのまま 一口含んでみると、ちょっと柑橘系の味のする紅茶だった。
砂糖をいれて、スプーンで混ぜる。いつものように紅茶を飲み干して、また本に戻る。その内に睡魔が襲ってきて・・・だけどその眠気も一気に次の瞬間掻き消された。
傍にあったティッシュの箱を引き寄せて乱暴に何枚か取り出すのがやっとだった。それを口に当てるか当てないかの時に波は過ぎ去ったと思っていたが胃から出てくる、酸っぱくて苦い味覚に咽返る。胃酸を含む液ではなく、そこには鉄の味がする物も混ざっていた。先生も状況の変化を察したのか、振り返り、少し青ざめた表情を見せた。
「センセー・・・苦しい・・・」
いつもなら言わない弱音を先生と目があった瞬間に口にする。嘔吐と吐血を繰り返しながら掠れた小さな声で紡がれた言葉は先生に届いたのか疑問だったけれど、その言葉と同時に我に返った様子で、何処かへ電話をしている姿が眼に映った。
数時間後、私は病院のベッドの上でうっすらと目を覚ました。気を失っていたようで朦朧とする意識の中で色んな物に繋がれているのを感じた。
口には酸素補給の為のマスクと、腕には栄養補給の為の点滴と。胸には心電図まで取り付けられていた。
亡くなる間際の祖父の様だ。祖父はこれ以上の物に繋がれていたけれど。麻酔薬でも点滴に入っているのか無性に眠い。このまま永遠に横たわっているのも悪くないかも知れないそう思って私は瞳を閉じた。
勢いよく立ち上がった所為で一瞬目眩がするが何とか立ち直り、担当教師に何も言わずバタバタと口を片手で押さえたままトイレへと駆け込む。
幸い隣の教室だったからよかった物の、もう少し遅れていたら吐瀉物をぶちまけてた所だ。とりあえずギリギリセーフ。しかし未だ襲ってくる吐き気の波に洋式トイレでガバガバと景気よく吐いていると朝食がよく噛み砕いたにも拘らず、形と色を残したままで出てきている様が見えた。
やっぱりまだ朝食は無理か・・・
夕食まで出てきてない分だけマシかと思いつつ、出て来るのが胃液だけになった事を確認すると盛大なため息をつく。学校に着いて、しかも3限目過ぎた辺りで吐くってどうですか。大きな音を立てて流れる水に軽蔑の目を向けてみるが、それは自分自身の問題だ。もっと早く吐いてくれれば胃も負担が少なかったろうに。そんな事を思いつつも、うがいをして、取り敢えずは落ち着く。
ストレスからくる胃弱体質。最近は調子が良くて吐かなかったと言うのに『朝食』を胃は受け付けないらしい。今まで反応がなかったのは、まだ食べ物が胃に入ったと認識されてなかったからなのかも知れない。
そうなら話は別だ。胃の働きが鈍い所為でまともにご飯を食べられるのは夕飯位で、胃の精密検査を受けた時、まだ前夜食べた物が残っていた事がある。検査を受けたのは殆ど正午だったから、丸々半日以上掛けても食べた物を消化できないという事。
その頃に比べたらまだ、朝食が出てきた位で驚いてはいけない。2、3時間形を留めているなんて私の胃にとってはそれこそ『朝飯前』なのだ。
しかし何故今頃になって吐いてしまったのか、それがどうにも解せない。しかし派手に教室を飛び出してきてしまった手前教室に戻るのもなんだろう、という気がしてならない。しかも隣だから嘔吐の音も聞こえている。授業に集中しててくれ、受験生諸君。
教室の手前で担当教師を呼び、保健室に直行する旨を伝える。自分でも確認したが、壮絶な顔色をしている私に気遣いの言葉と付き添いの必要性を訊いたが、一人で大丈夫だと返す。いつもこうなのだ。吐く為のエネルギー消費量は半端じゃない。そしてその間殆ど吐きっ放しな訳だから酸素不足になる。
酸欠状態の顔と、エネルギー源が去った後でげっそりとしてしまった顔とは、精神的には元気なので似ても似つかない物だろう。この時間にこれが初めてなのもまずい。午後の授業ならば、昼に食べた物を吐く事が多々あったから。たまに慣れない事=朝食を食べたりするからこうなるんだ。
大抵午後の先生方は、私がトイレに直行した時点で、また保健室行きだな、と思ってくれる。だから私も気兼ねなくフラフラと1人で行くのだが。さすがに初体験の相手にはちゃんとその事を言っておかないとまずいと思い1人呼び出した訳だが、心配性な性格なのか一向に保健室へと向かわせてくれない。
「私の事はいつもの事ですから。先生は授業に戻ってください」
そう言ってみれば、先生も渋々納得したようで。途中また吐き気の波が襲ってくるが必死で抑える。頼りなげに歩いていれば、午後担当教師がその時間は空いているのか途中で、大丈夫か?と声を掛けてくる。それに手をヒラヒラと振りながら苦笑を返せば、相手も苦笑する。
そう、いつもの事だから。心配ないんだ。
「センセー?居ます??」
保健室のドアを音を立てて開ける。すべりが悪いよここの戸。ゆっくりと静かに戸を閉めてソファに腰掛ける。
「あら、珍しいのね、こんな時間に?」
「最近調子良かったから調子に乗って朝食食べてみたんです。そしたら・・・」
吐くマネをしながら自分の体の事ながら呆れ返る。先生もそれに苦笑するといつもの保健室利用カードを差し出す。手馴れた手つきで、そこに記入し、熱も測って記入する。37.5℃。まぁ、微熱といえば微熱か。36度台前半が平熱だから。
そんな事を考えつつ、先生にそれを渡すと、もう一度盛大なため息をつく。
「そんなんじゃ体が持たないわよ?病院に行って点滴してもらった方が良いんじゃない?」
「病院嫌いなんです。点滴はして貰った方が良いんだろうけど。とりあえず夕飯でできるだけ栄養素とって、それからサプリメント飲むしか無いですかね。とりあえず今の所錠剤は吐いてないんで。でもサプリメントでも飲むと腹痛くなるんですよね」
胃が受け付けない。でも精密検査をした所で異常は見つけられない。胃の働きが鈍っているとしか内科では診断されない。メンタル面での治療は素直に受けているものの、いまいち効果が無い。休みの日にブランチとして胃に入れた時は、収まったのが不思議だった。
お腹は空く。けれど食べるのが怖い。寧ろ他の人に食べてもらった方が料理も、食材も喜ぶ気がする。後々外に出されて栄養分も何もそのまま水に流されるよりは。自嘲気味に笑って見せると、先生はそんな風に思わない方が良いと優しく言った。
「横になる?それともお腹温めとく?」
「あー、横になるのは喘息併発してるんで止めときます。毛布在ったらお腹に掛けときたいんですけど」
保健室の本棚から本をとりながら先生と会話する。本を読む位の体力はある。ここに来る度に色々な本を家捜しする。そろそろ部屋にある全ての本を読みつくした頃見かねて先生は長編の推理小説やらホラーやらファンタジーやらエッセイ集やら、たくさんの本を保健室においておくようになった。
ソファに身を預けて、足を上げたままそこに毛布を掛けるのがスタイル。授業に出ていたからといって、これといって問題は無いのだけれど、受験シーズンのこの時期、周りに迷惑掛ける事だけはしたくない。
暫く読んでると、先生が紅茶を淹れてくれた。先生が誰か海外出張に行った時のお土産でパッケージには怪しげな文字が並んでいるけれど、香りはそんなに悪くない。何も入れないままそのまま 一口含んでみると、ちょっと柑橘系の味のする紅茶だった。
砂糖をいれて、スプーンで混ぜる。いつものように紅茶を飲み干して、また本に戻る。その内に睡魔が襲ってきて・・・だけどその眠気も一気に次の瞬間掻き消された。
傍にあったティッシュの箱を引き寄せて乱暴に何枚か取り出すのがやっとだった。それを口に当てるか当てないかの時に波は過ぎ去ったと思っていたが胃から出てくる、酸っぱくて苦い味覚に咽返る。胃酸を含む液ではなく、そこには鉄の味がする物も混ざっていた。先生も状況の変化を察したのか、振り返り、少し青ざめた表情を見せた。
「センセー・・・苦しい・・・」
いつもなら言わない弱音を先生と目があった瞬間に口にする。嘔吐と吐血を繰り返しながら掠れた小さな声で紡がれた言葉は先生に届いたのか疑問だったけれど、その言葉と同時に我に返った様子で、何処かへ電話をしている姿が眼に映った。
数時間後、私は病院のベッドの上でうっすらと目を覚ました。気を失っていたようで朦朧とする意識の中で色んな物に繋がれているのを感じた。
口には酸素補給の為のマスクと、腕には栄養補給の為の点滴と。胸には心電図まで取り付けられていた。
亡くなる間際の祖父の様だ。祖父はこれ以上の物に繋がれていたけれど。麻酔薬でも点滴に入っているのか無性に眠い。このまま永遠に横たわっているのも悪くないかも知れないそう思って私は瞳を閉じた。
オフィシャルページ更新されてました。
かなり嬉しかったです。
だって自分、ゲーム雑誌とか買わない上に立ち読みすらしないんですもん。
・・・・・・ただ、問題が。
ヴォイス付き???え???それだけは勘弁!!
しかもなんかジーンさん更に露出度高くなってるし。
ひぃぃぃ、目のやり場が・・・(変)
んで、プロモムービーに追加があったのでこんな感じの感想なんですが
最後に気になった名前を発見・・・。
テッド!!!!!!
あのぉ・・・正真正銘ご本人様で宜しいんでしょうか??
つーか君、船から落ちそうになってるよ??
がーーっ!!可愛い!!(ぇ)
そうかー150年前って言って生きてるのって
本気で生きてたのってテッドくらいかぁ・・・・・
記憶が曖昧微妙です。星辰剣に飛ばされた時何年前だったかって
きちんとした記憶が無いーーーーーっ!!
(1は1周目で108星集めたから)
罰の紋章とソウルイーターと・・・
救われない紋章揃い踏み、ですか?
一方は所持者を、もう一方は親しき人の命を蝕む・・・。
3よりも断然こっちの方が『幻想水滸伝』って感じがします。
正直言って五行の紋章はいまいち掴めませんでした。
それよりもルックがルックがルックが・・・・・
ルックもササライ様も今回は出ないんだよね。
ってかムービー見てて思ったんですが
なんかメグちゃんらしき人物・・・発見!!
否、何、髪形が似てるだけなんですが(は?)
ビッキーちゃんはトリップ娘だから当然出てくるでしょう。
つーか出てくるのは前から判ってたでしょう。
訳判らん文章になってしまったぞ・・・。
4の発売楽しみにしつつ不安になってます。
・・・・・・お願いだからヴォイス付きは止めてくださいコナミさん(涙)
そんな事は在りはしないと思っていた
だけど在ったんだ 見つけてしまった
小さな小さな僕の中の
小さな小さな温かい心
優しいんじゃない自分勝手なだけなんだ
自分でそれを否定したって認めてくれる誰かが欲しかった
優しいんじゃない自分が笑っていたいだけなんだ
心の中で葛藤しつづける僕がいた
苦しい時差し伸べてもらえる手が
いつの間にか素直に受入れられなくなって
差し伸べられる温かい手が
ただの重荷にしかなれない自分を象徴しているようで
逃げた にげた ニゲタ
言えない 癒えない 癒せない
心の中の擦り傷が増えていく
痛みと共にそれは大きな切り口に変わる
怖いんだ 本当の事を言うのが
優しい手を受入れられない自分が
やっぱりその手を出してくれる人が愛しいなんて
怖いんだ 本当の事が言えなくて
言ったら嫌われるんじゃないか
言ったらもっと不快な気持ちにさせるんじゃないかって
傷付けたくないから口を閉ざし
傷付けたくないから笑った
愛して欲しいから本音を言わず
愛して欲しいから笑った
素直に受入れられなくなった
優しい手を 優しい言葉を
やっと手にしたのは家族以外のものだった
他人に対して防御線ばかりの自分が
何も知らない人が 慰めてくれた
言えない言葉を知ってくれた
無理やりだって 思い込んでるだけだって
気付いてくれたんだ
そしたら涙が止まらなかった
泣かないって決めてたわけじゃないけど
他人を前にして泣くのは久々で
しかも家族が全く居ない所なんて
誤魔化してばかりの心の中を
少し認めてもらえたのは
僕にとっての
微かな勇気に繋がるのかな・・・
例えば僕の知らない場所で
何が起こったとしても
それに気付かない僕は確かに存在する訳で
そう、雲が晴れ渡らない空の下に
僕と言うちっぽけな存在は確かに在る
ぎゅっと掌握り締めてみても
ぎゅっと唇噛み締めてみても
何も変わらない、何も判らない
自分自身が何をしたいのかさえ
他人に望まれている事を遂行するにはどうしたら良いのかさえ
晴れ渡らない空でも
曇りがちな空でも
花粉が飛んでいようとも
空は空で、誰の目にも映る
人の心を微かにでも動かせる
そんな空を思い浮かべれば
自然と心は寒くなる
僕には何も無いから
何をする事も出来ないから
初めから諦めてる訳じゃない
自分の能力に限界をつけてるわけじゃない
ただ一つの希望を失っただけだから
土砂降りの雨の中凍えた過去(きのう)
信じたいのは未来(あした)の事?
転んで膝をすりむいて歯を食いしばった過去
それでも信じていたいのは未来の事?
何も見えない未来に
変えられはしない過去を持って
現在(きょう)と言う日を生きている
痛くて苦しくて何もかも嫌になっても
何で僕らは生きてるんだろう
相変わらず雲は晴れなくて
空は少し悲しそう
未来に何を望むのか
忘れたい過去はなんなのか
悔しくって投げつけたボールを
受け止めてくれる人なんて誰も居なくて
歯を食いしばって歩いた道で
心配して声を掛けてくれる人なんて居なくて
皆それぞれに精一杯生きていると言うのなら
この虚しさはなんだと言うのだろう
相変わらず空は晴れなくて
僕の心も晴れなくて
それでも時間(とき)は流れてて
それがどうしようもなく辛くなる
いつかこの空も晴れるように
僕の心も晴れるだろうか
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辛くても笑っていよう
迷惑にはなりたくないから
悲しくても笑っていよう
重荷にはなりたくないから
1人きりで乗った電車の隣りは
見知らぬ人だったけど
とりあえずそれはともかくとして
自由席の喫煙車だった事の方が
よっぽど自分には重要なんだけれども
優しい言葉を掛けられたら
今まで我慢していたものが
全て溢れ出してしまいそうで
涙を堪えるのに必死で
その言葉に応える事なんて出来なくて
1人乗った電車の中で
またあの優しい言葉を思い出して
1人泣きそうになっていたけれど
通路挟んだ隣の人がタバコを吸いだして
堪らず出てくる咳で涙は誤魔化せた
呼吸器悪いのに何で喫煙車になんか乗ったんだろう
窓際じゃなかったから外の景色をのんびり見ることも出来ず
と言うよりも寧ろ見ていたら泣いていたかもしれない
和みのマイCDを持ってくるのを忘れて
仕方なく別のCDを入れてイヤホンつけて
1人その曲を口ずさむ
結局は涙を見せたくないだけなんだけど
何時の間にか睡魔が襲ってきたけど
目的の駅まで後もう少しで
寝たらもう起きれない気がして
曲を口ずさみながら睡魔と闘った
降り立ったその駅で
さもそれが当たり前と言わんばかりに地下に潜る
そして市電に乗って数分本屋の近くで降りる
御目当ての本は見付らず結局古本屋で時間を潰す
泣きたいけどナカナイ
叫びだしたいけど叫べない
微妙な感情のズレを紛らわすかのように
ただ1人黙々と立ち読み
家に帰れば誰もいなくて
内心少しホッとしたのは内緒の事で
今の顔を見られるのはとてつもなく重荷だったから
取り繕うだけ取り繕って出迎えて
そして一人夢の中へと逃げる
つまらなかったなんて言わない
辛かっただけだから
楽しくなかったなんて言わない
それは貴方を悲しませる言葉だから
迷惑掛けるだけ掛けといて
お金だって自分が稼いでいるものじゃないのに
我侭なんて言えない
悲しませる訳にいかない
大好きな人達に囲まれて
幸せだった筈なのに
それはたった一言で崩れ落ちただなんて
それはあまりにも矛盾しすぎていて
良かったでしょ?楽しかったでしょ?
自分に言い聞かせて終る言葉
良かったでしょ?楽しかったでしょ?
心の底からそう思えるように思い込んだ言葉
胸が締め付けられる想いを抱えて
自己嫌悪に苛まれて
抱えた膝も虚しくて
星の見えない曇り空を見上げる
遠慮とかじゃない
思いやりとかじゃない
全ては自分のため
自分が笑っていたいから
辛くても笑っていよう
迷惑にはなりたくないから
悲しくても笑っていよう
重荷にはなりたくないから
自分の胸の中にだけ秘められたコトノ葉
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なんだろう。この違和感は。
何なんだろう。この圧倒的な威圧感は。
何時何処で気を失ったかなんて覚えていない。
未だはっきりとしない思考を頭を振って何とかしてみる。
すると何と言うことだろう、それまで切れ切れだった記憶の断片が、一瞬筋が通ったように思えた。
だがあくまでもそれは、思えた、というレベルの話で。
何処と言って変りばえのしない部屋を見渡す。
いつも見慣れた光景。そう、いつだって自分はココに帰ってきていた。
何処か懐かしい気がするのは、随分長い間この部屋に帰ってこなかった所為だろう。
記憶は大分回復した。
そう、僕の名前はアキラ。
時空の歪みを統べる者。
それ以外の誰でもない。僕は僕だ。
それでも何故か何処か違和感があって、警鐘を止める事が出来なかった。
ココは、自分の部屋だ。
だけど何故ココが自分の部屋だと知っているのだろう。
僕は、遊撃手であり、こんな小奇麗な部屋など似合わないと言うのに。
ココにはあの人の面影など無いと言うのに。
微かにドアの外、廊下だろうか?、から足音が聞こえる。
それは今自分が居るこの部屋に向って来ていると確信するには十分なもので。
規則正しい足音が、ふと、ドアの前で止まった。
ドアがゆっくりと開かれる。
「やぁ、お目覚めかい?エイラ。」
そこには何処か見覚えはあるものの記憶に無い顔をした少年がたっていた。
―――――――――――――――――――――――――――――
えっと、久々ネタ日記です。小説の冒頭。思いつきのままに。
ってか短い・・・ヤだわぁ、もう。
アキラは前に日記に登場させたアキラと同一人物です。
ってかシリーズ物になってます。アシカラズ。
色々とネタばれの多い作品になる、と思われます。
アキラ自身忘れていたかこのこととか、色々。
ってーかそろそろアキラの設定年齢決めなきゃ。
all for one, all for dreams
2004年3月14日 ポエムthere’s nothing to be destroyed
there’s always dream what I dream
there’s hope to get there
there’s nothing to stop me
do you know how I felt
just to hear what you just have said
do you know how I’ll act
just to saw what just you’ve done
it’s my believe
it’s my dream
it’s my future
and that is what I always wanted
how can you imagine
exactly what I’ve felt
I’m goin’ for my dream step by step
slowly, but it’s the right way
no one can stop me
no one can close my eyes
no one can take away my future
no one can live my life
that’s only I can
that’s only I can change
no one’s word, no one’s mind
that’s my word, that’ my mind
that’s my life
yes, there’s somethin’
that I wanna run away from
and don’t look that again anymore
but you don’t know what I felt
you don’t know what I’m feeling
fear, sadness,
maybe my future is dark
some times I wanna get away from my life
give up my life and to be free
what else can I say
no one knows what I really want
no one knows what I really dreams
no one knows what I exactly feel
no one knows...
I wanna be free
no thought, no damage, no lie
even "I" don’t know what I want
but maybe...
the death is something I wanted
there’s always dream what I dream
there’s hope to get there
there’s nothing to stop me
do you know how I felt
just to hear what you just have said
do you know how I’ll act
just to saw what just you’ve done
it’s my believe
it’s my dream
it’s my future
and that is what I always wanted
how can you imagine
exactly what I’ve felt
I’m goin’ for my dream step by step
slowly, but it’s the right way
no one can stop me
no one can close my eyes
no one can take away my future
no one can live my life
that’s only I can
that’s only I can change
no one’s word, no one’s mind
that’s my word, that’ my mind
that’s my life
yes, there’s somethin’
that I wanna run away from
and don’t look that again anymore
but you don’t know what I felt
you don’t know what I’m feeling
fear, sadness,
maybe my future is dark
some times I wanna get away from my life
give up my life and to be free
what else can I say
no one knows what I really want
no one knows what I really dreams
no one knows what I exactly feel
no one knows...
I wanna be free
no thought, no damage, no lie
even "I" don’t know what I want
but maybe...
the death is something I wanted
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ちっぽけな僕を
誰が見つけてくれるだろう
どんなにアピールしても
気付かれないまま
どんどん時は流れ
季節はまた 過ぎ去ってゆく
あの日見た夕焼け空
泣きたくなるほど綺麗で
それでも泣けない捻くれた自分を
気付いていたのは自分だけだった
そう 誰にも気付かれない
隠し続けていた物を
露出する事には抵抗があって
ぎゅっと手を握って決心しても
それでもまた 後ろを振り返る
嫌われたらどうしよう
それが怖くてその場に固まった
ちっぽけな僕を
誰が気付いてくれるだろう
どんなにアピールしても
誰も気付いてくれない
それは僕がまだ隠している証拠
そしてまた 時は過ぎ去ってゆく
足りない脳と
足りない口と
全てをフル活用したって
どれだけの事が君に伝えられているだろう
どれだけの事が君に届いているだろう
例え何も届いていなかったとしても
僕はこうして 願い続けるのかもしれない
望んでこの地位についた
その途端全てが壊れた
この手に在った物が失われていく
涙はもう 枯れ果てた
自分の身を呪い 自分の力を呪った
大切な人を幸せに出来な自分を
大きな地位について 身動きが取れなくなった自分を
大切な君を失った悲しみを
僕は決して忘れないだろう
あの日僕の腕の中で静かに息を引き取った君を
僕の力と同化させてしまう事を許して
それでも君は僕の中に居るから
僕の大切な人達もそこに居るから
前へ進めと 背中を押してくれるから
僕はやっと 前へと歩き出せる
あの日君と交わした約束を果たす為に
僕は僕を心の奥に仕舞おう
あの日貴女と交わした約束を胸に
僕は僕を塗り替えよう
あの日貴方と交わした約束を違わぬ為に
これ以上の犠牲者を出さない事を願おう
終結の刻を今此処に刻もう
==========================
それは、小さな小さな箱で。
それは、僕がいるには窮屈な場所で。
ココは何処だろう。そう思ってあたりを見渡す。目に付くものは、壁。何の変哲も無い、それでも少し薄汚れた、そんな感じの壁。
一体僕は何故ココに居るのだろう。そう考えても答えは出ず、たまらなくなって考える事を止めた。
それが、僕がここに来た最初の日にやったことだ。
たとえどんなに無駄だと言われようとも。たとえそれがどんなに困難だと判っていようとも。外を夢見る。ただそれだけしか出来ない。逃げ出すだけの、ココから出るだけの力は、僕には無い。
溢れ出す負の感情を、最早止める事などできなくて。流れるままに放っておいた涙は、何時の間にか枯れ果ててしまっていた。もう、涙も出ない。
これは、寂しいと言う名の感情なのだろうか。それとも、悲しいと言う名の感情なのだろうか。それすら曖昧で、抱え込んだ膝に顔を埋めた。
誰も居ない、部屋と言うには殺風景なこの箱の中。僕は何も考えられなくなっていた。考える事が無い。それも事実だった。
逃げ出そうにも方法が無い。頑張ろうにも打ち込める物も無い。この状態で何ができるだろう。この無力でちっぽけな人間に。
次第になくなっていく気力。不思議な事にお腹はすかない。人間の欲望の一種である食欲が無い。それはある意味で、ココが現実ではない事を物語っているようだった。
孤独に耐えうる精神力、そんなものは無いけれど。外の世界の移ろい行く速過ぎる時の流れは、確実に僕の心を蝕んでいた。だったらココは、ある意味では楽園なのかもしれない。
それならば何故こんなにも虚しいのだろう。何も感じなくなったかと思えば、そこには空虚感だけが残っていた。それは一体何のためなのか。
前へ進みたいと願えば願うほど
馴染まなければと思えば思うほど
焦りばかり募り空回りする。
ココは窮屈な箱。
僕の心の中。
ココは窮屈な箱。
現実世界とリンクする。
ココは窮屈な箱。
自由という名の鎖と
社会という名の錠で硬く閉じられた
ココは
窮屈な箱
====================
久々即興詩。
ひたすらにマイナス方面ですか?
イタミ・ヨワサ・それぞれの道
2003年12月26日 ポエムどんなに離れてたって
心は通じてると思ってた
でもそれはただの僕の思い込みで
伝えなければ何も始まらない
会えた事で何か変わったかな
僕は結局何も出来なかったし
君は君の道を進み
真っ直ぐ前を進んで
ゆっくりでも、それでも確実に
未来へと進んでいく
僕に与えられた時間
充分あった筈なのに僕は
何か変わった?変われた?変えれた?
自問自答ばかり繰り返しても
そこにある答は一つだけ
1人だけ取り残されてしまったようで
乗り越えた先を行く君達を
笑顔で見送るのは正直辛くて
それでも君達は君達の道を進む
それは当たり前の事で極自然な事
弱くて悲しくて脆くて壊れそうで
強くなろうとするのも怖くて
全てが捻じ曲がったように見えて
素直なままの現実を受入れる事ができずに
ただその場で足踏みをしている僕
怖い事を避けてばかりじゃ
何も変わらなくて何も変われないのに
僕はそれを避けて通って
そして今更になって後悔してる
それは僕自身に対してのものなのか
それとも周囲に対しての物なのか
それさえも判らないけれど
本当は独りが怖いんじゃないのかもしれない
自分自身でも良く判らない痛みを抱えたまま
僕はこの先何処に向っていけば良いのだろう
君達のように未来が見えない
ゆっくりと過ぎていく時間の中で
何時の間にか僕はぬるま湯に浸かって
結局外も心もふやけてしまって
何も強くなんかなれてない
在りのままの自分なんて本当にちっぽけで
本当に居るか居ないか判らないような
そんなどうでも良いような個体でしかない
それでもやっぱり生命だから、生きてるから
儚い希望も捨てられなくて
毎日を暮らしていくだけの力は
今の僕には無くて
毎日を暮らしていくだけの強さは
今の僕には無くて
未来の見えない不安と希望ももてない自分と
動いて行く世の中と友達を見て
焦ってばかり、落ち着かない
どんなに言葉にしたって足りないくらい
どんなに器用に言葉を紡いだって足りないくらい
僕の中では色んな感情が渦巻いてて
怖くて、怖くて、声にならなくて
夜に煌くイルミネーションさえも
焦りを募らせる一因でしかなくて
未来を行く人たちが羨ましくて
未来が見える人たちが羨ましくて
手を伸ばしてみたけれど
僕には届かなくて
体も、心も弱いから
頭も最近、ダメだから
守れない
必死で身を固めようとしても
必死で守ろうとしても
弱いものは傷付けられる
強くならなきゃ
前に進まなきゃ
未来を生きなきゃ
どうやって?
もう、何もかもを失ったかのような感覚
毎日を過ごすのが精一杯?
それでも充実感なんてそこには無くて
結局僕は迷路に迷い込むんだ
一緒だと思ったものが
一緒じゃなくて、違っていて
それは極当たり前の事なんだけど
それに気付くのが遅すぎたんだ
ダイジョウブ、そんな言葉じゃ足りない
ヘイキダヨ、何が平気なんだろう
ナカナイ、強がってばかりいても
結局は弱いままの自分
君らは未来を生きて
僕は何処を生きるの
毎日を必死に生きてる訳じゃないけど
未来が見えるほど、未来がわかるほど
僕は・・・強くない
諦めたくないけれど
諦めなくちゃいけないものはたくさんあって
捨てたくないけれど
お別れを言わなくちゃいけない物はたくさんあって
全てを抱えて生きるほど
僕はまだ、強くなれない
未来が見えない不安を
誰しもが抱えているというけれど
僕の痛みは、誰が理解ってくれると言うのだろう
他人の痛みを本当の意味で理解するのは
無理だとはわかっているけれど
居場所が無い
ココにも、ソトにも
どこにも居場所が無いんだ
====================
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大好きだと思えば思うほど
大切だと思えば思うほど
いえない言葉がある
いえない気持ちがある
膝を抱えて蹲ってる僕に
なにがあったのかどうしたのか
そう訊いて来る貴女に
僕は何の返答も出来ずにただ蹲る
殻に篭って周りを隙間から覗いても
動いていく景色は速すぎて
僕を受入れてはくれない
どんなに不安を抱えていようとも
人間は生きていくと言うのに
蹲った僕が考える事は
言葉にするには寂しすぎて怖すぎて
それでもそれが僕の本音の気持ちで
でもそれは貴女に対する裏切りで
だから喉まで出掛かったその言葉を飲み込んだ
陽だまりの中で生きるには
僕は闇を知りすぎた
僕の中に深く根付いた
僕自身の深い闇
それに気がついたのはもう遠い昔の事だった
いえない苦しさを抱きながら
言ってしまった未来を想像する
貴女は大切だから
あなたは大好きだから
僕にとってかけがえの無い人だから
傷付けたくないんだ
僕の言葉で
僕の抱えている気持ちで
傷付けたくないんだ
僕は貴女の幸せを祈るから
僕にこれ以上深入りしないで
蹲った僕に何度も同じ言葉を呟きながら
僕の反応が返ってくるのをひたすら待ってる
僕は顔を上げてゆっくりと笑う
せめてその笑顔で貴女が少しでも安心するように
貴女は僕がいるだけで良いって言ってくれるけど
それではダメな事くらい僕自身気付いてるんだ
雨音がいっそう激しさを増すように
僕の心の歪みも更に大きくなるから
気付いて欲しくない
貴女にだけは真実の僕を見て欲しくない
こんなに穢れていて汚い
貴女には理解できない感情を持った僕を
お願いだから見ないで
せめて貴女の前では
『イイ子』の僕でいさせてください
大切だって思えば思うほど
大好きだって思えば思うほど
いえない言葉がある
いえない気持ちがある
だからこれ以上深く入り込まないで
ここから先は僕のテリトリー
知りたいと願わないで
僕自身が壊れてしまうから
堕落していく僕を見るのはつらいでしょう?
だったら手放してください
貴女から関係を切って下さい
貴女ならそれが可能でしょう?
独り孤独になれば
何も考えずに路頭に迷えば
僕はそれなりの場所へと行き着くでしょう
僕は貴女の幸せを願うから
僕を切り捨ててください
僕がいたら迷惑ばかりかけてしまって
僕がいたら悲しい想いばかりさせてしまって
貴女はそれでも幸福せだと言ってくれますか
ありえない望みなのかも知れないけれど
これ以上迷惑をかけることも
貴女を悲しませる事も無いように
僕はあなたから離れたい
大好きだから大切だから
貴女には幸せになって欲しいから
僕は逃げます
貴女と言う優しさから
僕は逃げます
貴女と言う温もりから
貴女には誰よりも幸せでいて欲しいから
罪深き僕の傍には
その明るい光は望めないから
貴女を護って闇を戦い抜く事は
僕にとって不可能な事だから
お願いです
誰よりも幸せそうに笑ってください
それで全てが終わるから
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The hope will always be there for you.
2003年11月17日 ポエム真っ暗な暗闇の中
声を殺して泣いていた君
満面の笑みで幸せだった
あの頃の記憶は置き去りにして
公園の片隅蹲って
膝を抱えて震えてた夜
何も信じられなくなって
ひたすら走って逃げた午後の夕暮れ
君が視界から消えるのが怖くて
何時も君の後ろを歩いてたあの頃
久しぶりに見た君の笑顔は
どこか儚げで危うげだった
何処に行けば君に会えるだろう
すぐ傍にいる事に気付かない僕
何処に行けば君に会えるだろう
君は何も変わってなどいないのに
気が付けば随分と遠くへ来た
そんなに歩いて来たつもりは無いのに
楽しかったあの頃の記憶もおぼろげなまま
また一つ僕は嘘をつく事を覚えた
大人になるってどう言う事?
小さなウソを一つずつ重ねて
夢を描いたあのキャンバスを破り捨て
現実に忠実に生きる事?
肩を震わせて脅えていたあの頃の
幼い頃の気持ちを抱えたまま
僕は何も変われていないのに
あの時の気持ちをまだ抱えたままなのに
引き摺ったまま
気持ちを抱えたまま
同じ想いを同じ願いを
同じ形で持っているのに
最初から知っていたのは
君の気持ちと僕の気持ちが
絶対に交わる事のない事だけ
絶対にありえる事のない事で
ねぇ 君は何処に行ったの
君はどういう道を辿ったの
変わるには幼すぎて
別れるには寂しすぎて
ねぇ 君は何処へ行ったの
見失わないように
置いて行かれないように
ただただ必死に後を追いかけたのに
何時の間にか変わっていたね
僕と君の間には沢山のチグハグ
埋めようと思っても埋められない深い溝
もうあの頃へは戻れないと知った日
ただ判る事といえば
僕はまだ君への気持ちを抱えてる
形は変わってしまったけれど
温かい気持ちは残ってる
あの頃とは違う君と僕
それでもまだ関りを持つ事は可能かな
そばにいる事が当り前すぎて
なくす前に気付けばよかった
あの頃と形は変わってしまったけれど
君への温かい気持ちを抱えたまま
君の道に幸多からん事を
願って祝福して
そして祈るよ
The hope will always be there for you
ん〜とね、今日は何も書かなかったな。
2003年11月11日 ネタ帳=======================
「香君。」
被害者側が大人しく『調書』の為に受け答えしていると、ノックも無く扉を開け、被害者を呼ぶ声がする。一緒にいた担当の刑事はその人物の出現にあたふたしている。
「どうも、どうはりましたん?警部さん?」
「どうもこうも無い。全く君という人は・・・。」
長くなりそうだな、と心の中で香はそう思うと、調書も大体終わったしと、めんどくさそうに腰を上げる。
「長くなるんやったら外で聞きますけど?刑事はん、調書はもうええでしょ?」
香のその言葉に、担当していた刑事も首を縦に振り『どうぞ』と言葉を溢した。それを聞いた香は警部の方を軽くパンパンと叩くと外へと促す。普通『警察官』のしかも『警部』にこんな軽々しい事ができるはずが無いのだが、香の場合は少し事情が違った。香はココでは『顔馴染』なのだ。休憩室の方へと足を運び、自動販売機の前にあるベンチに腰を下ろすと、香の考えが判っているのか、警部は小銭をポケットから取り出すと自動販売機の前に立ち、数ある中から『ホットココア』を選び、無言で香に渡す。そして自分も『ホットコーヒー』を購入すると、ヤレヤレといった様子で香の隣りに腰を下ろす。
「そんなに僕と話すん嫌でしたら、僕はどっちでもええですけど?」
ホットココアを受け取り、口元で息を吹きかけ、少し覚ましてから一口含み、舌を熱さでしたを火傷して香は溜め息をついた。警部は仏頂面のまま、コーヒーを啜っていた。そして暫らく沈黙が続き、警部が口を開いた。
「何故君はワザと事件に巻き込まれるようなマネをするんだ。たまたまそこに居た者がこっちに連絡をくれて迎えに行けたからよかったものの・・・。」
その言葉に、ご尤もです、と溜め息をつきながらそれでも、と香は言葉を紡ぐ。
「それでも、他の方が狙われてるんか、僕が狙われてるんかハッキリさせときたかったんです。僕やったらまだ力使えば済むことで、ええけど、他の方やったら、引き返すつもりやったんです。まぁ、どっちにしろ巻き込まれる事に変わりは無いですけどね。」
苦笑しながら言う香に警部はこれ以上に無いと言う程の特大の溜め息をつく。香はその仕草にまた苦笑した。
「心配してくださるんは嬉しいです。けど、僕は僕の仕事遣るだけですから。そないに心配せんでも僕は『強い』ですから。」
「あぁ、そうだったな・・・。処で、相手さんの取り調べがまだ終わっとらんのだが、来るか?」
普通被害者である香にそんな事を訊く訳が無いのだが、香は二つ返事で応えると、丁度良い温度に下がったホットココアを一気に飲み干す。紙コップで出来たそれをゴミ箱に投げ入れると、立ち上がって警部の後をついて行った。
取調室には沈黙が続いていた。男が何も喋らないのだ。明らかに『変質者』の格好をしている為、その事は仕方が無いと思っているのか、そこの部分はすんなりと容疑を認めたが、香に対する所謂『猥褻行為』については否認状態。担当の刑事である坂下は、さっさとこの取調べを終わらせたいと願っていたが、証拠が無いのでは、この犯人の口を割らせる他は無いと思っていたので、半ば諦め状態だった。そこに、ノック音がやたらと大きく響いた。
「香さん?」
そこに現れたのは紛れもなく『被害者』である香の姿であった。一見容姿は中性的とでも言うのか、一瞬の判断では性別がどちらかなのか見分けがつかない。その香が取調室に入ってきて、坂下の隣りにあったパイプ椅子へと腰を下ろす。ドアを閉める寸前、香の後ろに警部の姿が見えたため、警部が連れて来た本人である事をすぐに坂下は悟った。
「坂下さん、ちょっと邪魔するで。あんさん、いい加減口割ったらどうなんや?」
香は椅子に座って一息つくと、坂下に明るい声を掛けてから、凛とした声で犯人と対峙する。被害者が加害者と面と向かって話をするなんて普通の神経では出来ない芸当だ。それをいとも簡単に、この17歳というまだ20にも満たない子供がやってのける。坂下は香の強い精神に、何時もながら感心する。
「被害者の僕が出て来て、なんもおもわへんのん?」
犯人は多少の焦りの色を見せるものの、『被害者』の証言だけでは罪には問われない事を知ってか知らずか、だんまりを決め込んでいる。
「言っとくけど、証拠はあんねんで。」
冷ややかにそう言い放った香の瞳には、優しさなど無かった。『そんなの嘘だ!目撃者も居るわけない!!』とでも言いたげな顔をしている犯人の言葉を制し、ポケットをごそごそと探る。そしてある物を取り出した。
「・・・れ、レコーダー?」
男はそれを見て愕然とした。
「せや、あんさんが僕に声掛けて来た時からの会話が全部入っとる。僕はあんさんの行動も全てお見通しやったっちゅう訳。万が一に備えて、これいじくっとったん、あんさん気付かんかったんが運の尽きやな。」
『悪い事はするモンや無いなぁ?』と香は笑った。ガクッと犯人は肩を落とし、容疑を認め、その後の調書もスムーズに行われた。香は部屋の外へ出ると、後ろ手でドアを静かに閉めた。目の前には警部の姿があった。その姿に香は苦笑した。
「待ってて下さりはったん?僕は僕の仕事をしただけですよって。」
「・・・違う。待っていたのはお前の為じゃなく仕事の為だ。報告書を提出しておけ。」
「えぇっ?!今回僕被害者なんですけど??しかも調書はとったんやし??」
警部のその言葉に些かオーバーなリアクションを返して見せるが、警部の表情は変わらない。その顔に溜め息をつくと、また苦笑した。
「今回の君の行動は、警察官としての行動か、それとも一般人としての行動か、どっちだ?」
「僕は警察官である前に1人の人間ですさかい、今日は『被害者』っちゅーことで勘弁してくれはりませんか?」
苦笑交じりにそう言うと、警部は仕方が無いなといった様に肩を落とすと、香の容姿をより中性的にしているショートカットの頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
「処で、今回の足の錘は何キロだったんだ?」
「・・・両足で30キロ。ちょっと重すぎたのか犯人連行するのに時間かかってしまいました。すんません。」
突然のその問いに少々唖然としながらも、バレていたのなら仕方が無いと、頬を掻きながらそう応えた。
「能力のコントロールができるように地道に鍛錬するのもいいが、いざと言う時故障しました、じゃ示しが付かんぞ?それに携帯電話はいつも携帯しとらんと意味が無いだろう?判っているのかその辺り。」
その言葉に香は大きな溜め息を一つつくと、頭を項垂れて、すみません、としかいえなかった。
=======================
生きたい?
死にたい?
どちらでもない
どちらにも属さない
無意味に時間を
過ごしている自分
余計な言葉で君を傷つけて
余計な言葉で自分自身も傷付いて
何で上手く行かないんだろう
すれ違ってばかりいる君と僕
あの日交わした約束も
今では過去の物になってしまったの?
何も知らず あのまま続くと思っていた
何も知らず あのまま続くと願っていた
あの平穏な日々
今はもう・・・
遠い過去の記憶
目が眩む程の白に
中途半端な僕は
消えてしまいそうになる
存在理由が在るとするならば
それは一体何だと言うのか
僕は何故今 この場所に
存在(あ)るのだろうか
光でも影でもない
中途半端な僕には
君と言う存在は眩し過ぎて
見えなくなってしまう
消えてしまう
失ってしまう
僕が生きている事に
意味があるのならば
多分それは・・・
狂おしいほど
恋焦がれた
真っ白な君と
ここで・・・
自惚れても良いだろうか?
出逢う為だったと信じても
良いんだろうか
僕を殺してみるかい?
2003年10月16日 ポエム不可解な音が響いてる。
頭が思うように働かない。
カーテン越しに見た外の光は
あまりにも眩し過ぎて目を瞑った。
頭に鳴り響く不快な音。
この部屋にいる他の誰かの気配。
一体誰だ?
僕はここで何をしてるんだ?
気がつけばお互い臨戦体勢で
一触即発の状態で
そこに一声似つかわしくない声。
『ご飯まだ?』
あぁ、そうか。
こいつ等は確か・・・
否、そんな事はどうでも良い。
今目の前に居るのは殺気立った奴。
そんなに僕を殺したいのか?
殺したいほど憎んでいるのか?
僕が何をしたのかは覚えていない。
それは沢山の内の一つにしか過ぎない。
嫌いじゃないよ、お前の事。
だけどお前が嫌うなら、それも良いだろう。
あれは僕にとってただの仕事だった。
それがお前を傷つけたと言うのなら・・・
殺したいほど憎んでいるというのなら
僕は何も抵抗などしない。
僕は僕のやるべき事をやっただけだ。
何も後悔なんてしていない。
足元すくわれたって自業自得だと思う。
僕はそれだけの罪を犯してきた人間だ。
今更命を惜しむ歳じゃない。
今更死への恐怖に震える歳じゃない。
憎いなら殺せばいい。
ただお前の手が血で穢れるのは忍びない。
今更何を言うだって?
そんな事、お前が一番良く知ってるじゃないか。
弁明なんてしない。
説き伏せようともしない。
それに・・・お前は本当に僕を殺す気があるのか?
昨日の晩泥酔した僕を狙うのが一番じゃなかったのか?
全く予測不可能な奴だな。お前って奴は。
今僕に向けているそのナイフが怪しく光る。
恐怖に脅えたような顔をして
そんなに僕が恐いのかい?
お前は誰よりも知っているはずだ。
傍でずっと僕を見てきたのだから。
僕が一番弱い人間である事を
手が震えてるよ、覚悟したんじゃなかったの?
それとも何?やっぱり罪人になるのが怖くなった?
僕と同じ人間になる事が。
そのまま泣き崩れても、僕は何もしてやれないよ?
言葉で傷つけて
言葉で癒して
言葉で決意し
言葉で団結した
全てが虚実だったというならば
全てが無意味だったというならば
僕を殺してみるかい?
その震える手で
僕を殺してみるかい?
怪しく光るそのナイフで
愛してると告げる人も
愛してると問う人も
愛を打ち明ける事の出来る人も居ず
ただ流れる雲に隠れる月を
ぼんやりと眺めてた
知らない間に
闇は生まれ
心を蝕み
繁殖した
不安が不安を呼び覚ますように
窮屈なオリの中で
戒めるかのように繰り返される音
それは呪の詞となって
悪夢を引き起こさせる
逃げてはならぬ永遠の悪夢
決して逃げる事の不可能な
そんな呪の詞を聞きながら
君は何を思うのだろう
戒めの音を聞きながら
君は何を願うのだろう
愛しいと感じているこの気持ちさえも
嘘だと言われたら
虚実だと言われたら
全てを否定された自分は
何処へ心を浮遊させるのだろう
一緒に居るのは辛すぎて
逃げ出した
それでもまだ戒めの音は消えない
それでもまだ呪の詞は消えない
決して抜け出せない永遠の呪縛
束縛したい?愛されたい?
それは自分勝手な思い込みで
1人で空回りしている自分が居る
唄う事で救われるなら唄おう
君の書いた戒めの音を
全身で受け止めて
俺を飛ばせるのはもう
お前しかいないのだから
愛したいと思う相手も
愛されたいと願う相手も居ないまま
孤独のまま朽ち果てるのも
君の戒めの音があれば
それで良いのかも知れない
さぁ、全ての罪を洗い流してくれ
生まれながらにして罪人の俺を
お前は許してくれるんだろう?
さぁ、戒めの音を唄おう