「新緑」「ぷわんぷわん」「呼びに行く」
2014年6月1日 ネタ帳 コメント (2)ゆるやかな風、暖かい陽射し、どこかそわそわと落ち着きのない心。
新緑が目に鮮やかで、微睡みの中に住みたくなる気候。
新しい生活、新しい出会い、新しい友達。
少し前まで別れに涙していたというのに、いまは期待と不安が入り混じった、複雑な心模様。
「あら、落ち着きないわね」
「? わかりますか?」
馴染みの店に来て、落ち着いた一時を過ごしている時さえ滲み出てしまう、どうしようもない感覚。
同じことの繰り返しだった毎日が終わり、また違った日々が始まる予感。
陽が落ちる頃には、感傷的になることが多いのに、それにも勝る、なんともいえないこの心地。
「そうか、クラス替え、あったのね」
「はい」
いい香りが、湯気とともに鼻腔を擽る。
馴染の店員さんが言い当て、にっこりと笑ってくれる。
「この時期特有の感覚・・・・学生の特権ね」
「そう、ですね」
「そうよ。思う存分楽しみなさいな」
あと数年もすれば、そんな感覚なくなるのだろう。
こんな風に心がどこか落ち着かない、そんな特有の感覚を憶えるのは、春に区切りがある学生の内だけ。
それを思うと、どこか足が地につかない、ふわふわとした感覚さえ、大事に心に記憶しておこうと思える。
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます」
思わず声が弾むのが、自分でもわかった。店員さんもにっこり笑って、ごゆっくり、と云ってくれる。
金曜日、一週間が終わったことを楽しむためにこの店に来る。
いつも注文する、この黄色の物体。
固形物でもなく、液体でもなく、触れれば、ぷる、ぷわん、ぷる、ぷわん、となんとも魅惑的に揺れる。
幼い頃、母に作ってもらって以来大好きで、仕事で忙しくなった母の代わり、といってはなんだが、伯父がやっているこの店で食べさせてもらう。
「んーーー!!!」
一口すくって頬張ると、口内に拡がる甘い香り。
香りの正体であるバニラの原液を舐めると、とてつもなく苦いのだが、やはり『甘い』と表現してしまう。
とろとろの殆どカスタードクリーム状態のプリンもあるが、個人的には、少し固めが好きだ。
苦みのあるカラメルに、生クリームとプリンのやわらかな甘みが絡まって、至福の時を過ごす。
喫茶店なので、フルーツも盛り合せてあるのだが、やはり、プリンが主役だろう。
早く食べてしまいたい衝動と、そんなに急いでは勿体ないという気持ちが合わさり、なんとももどかしい気持ちを味わう。
もどかしいけれど、その感覚さえ楽しい。失いたくないと思ってしまうほどに。
恐らく、週末のこの時間を欠いてしまうと、翌週頑張れない、というか、そもそも生きていくのが危うい、と感じてしまうほど、大好きな時間だ。
「こんにちはー」
入口のベルが、カランカランと音を立て、挨拶をしながら人が入ってくる。
その見覚えのあるその姿を見て、席を立つ。
「こんにちは、伯父さん呼んできますね」
「やあ、頼むよ、大きくなったね。美人になった」
「ふふ、ありがとうございまーす」
穏やかな初老の男性は、伯父の歳の離れた友人だった。
幼い頃には頻繁にこの店で会っていたから、顔を憶えていた。
優しくしてもらった記憶があるので、お世辞をいわれても、悪い気はしない。
この時間、店のことは店員たちに任せて、マスターである伯父は、二階の自室で書類を整理しているはずだ。
店内の様子はカメラを通してみているので、よっぽどのことがない限り降りてこない。
それくらい信頼して任せられるひとたちでよかったな、と思う。
階段を上り、二階にいるはずの伯父を呼びに行くと、少しだけ風が通った。
廊下の端にある窓があいている。恐らく他の窓も開いており、それで風が通ったのだろう。
夕暮れの、すこし肌寒い風を感じると、途端に室内は暗く見えてくる。
まだ明るいから、と電気をつけていなかったことを、少しだけ後悔した。
怖がる必要はない、とわかってはいるのに。
「おじさーん」
店の方に響かない程度の声をあげる。
何度か繰り返してみるが、返事がない。
不思議に思って、いつも作業しているはずの部屋へノックをして入る。
窓際のカーテンが、ゆらゆらと揺れていた。
「伯父さん?」
机に突っ伏している伯父の姿を見つけて、少しだけ不安になる。
これはミステリー小説の読みすぎだ。ミステリー漫画も好きだから仕方ないけれど、身近で事件とかは起こってほしくない。
あれはフィクションだから面白いのだ。
不安を振り払うように頭を振って、一歩を踏み出す。
「・・・・!?」
ギィっと軋む音に、驚いて心臓が跳ねる。
床板が古くなっているので、その音だと理解しても、なかなか心拍数が落ち着かない。
呼びに来ただけなのに、何か犯罪を犯した、犯人の心境に近い感覚を憶えてしまって、おかしくなった。
「ん・・・・・?」
「おじさん!」
くすくすと笑っている声が耳に入ったのか、身じろぎをして顔を上げる伯父に、呼びかける。
友人が来ていることを伝えると、にっこりと優しい顔で笑ってくれた。
「ありがとう。じゃあ一緒にいこうか」
その笑顔が心を暖かくしてくれる。
そわそわとした気持ちも、すべて包んで、優しい気持ちにさせてくれる。
これから変わっていってしまうだろう未来に対して、感傷的になっていた気持ちさえ、すべて。
「うん、やっぱり好きだなぁ、ここ」
「それは光栄」
ぽつりと呟いた言葉の意味は、たぶん分かってもらえていないけれど。
そんな、春の日の想い出。
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お題:「新緑」「ぷわんぷわん」「呼びに行く」
お題提供:たんぽぽ様
随分遅くなってしまいました><
でも、書けて良かったです♪
ありがとうございましたー
嫌なこともあるよ
哀しいこともあるよ
腹立たしいこともあるよ
全部投げ出したいことだってあるよ
それでも
あのとき
あのとき生を投げ出していたら
全てに見切りをつけていたら
身体が浮かずに溺れていたら
誰かに何かが届いたのだと
その実感も得られないまま
全てを恨んでいたのだと
そう思ったら
そう思えたら
もうちょっと生きててもいいかな
そんな風に
ありがとう
ああ
馬鹿なんじゃないだろうか
ああ
怠けてるんじゃないだろうか
音もなく振り積もる
灰色の感情
見ないフリして
スルーできているフリをして
結局
ああ
だめだ
また
降り積もった負の感情が
全てを嫌にする
生きていたくない
あそこにいるくらいなら
生きていたくない
あそこは嫌だ
あそこは嫌だ
あんなひと
あんな場所
嫌だ 否だ 嫌だ
ひとの話を聴かない
ひとの話を憶えていない
嫌だ 嫌だ 嫌だ
助ける気がない
助ける力もない
そんなところにいるのは
嫌だ
どうしてあそこにいるの
どうして
真面目な大人しい子は
保護を受けられないんだろう
どうして
色々頑張ってやってみて
それでもどうにもできないから
やっとの思いであげた小さな声を
<気の持ちよう>
そんな言葉で済ませてしまえるの
相手にそんなつもりはない
気の持ちよう
躱せるようにならないと
世の中はもっと厳しいよ
それは正しい
いまの世を生きるためのスキル
それでも
気の持ちようだとおもって
精一杯自分で解決しようと努力して
それでもやっぱりダメだと
やっと声を上げたのに
努力次第といわれてしまっては
いじめられた子はもう誰にも相談できずに
自分の中に溜め込んで
自分を責めて 追いつめて
自分の存在を消すことを選んでしまうのに
どうして そんな酷いことがいえるの
真面目に頑張ってるひとを手助けしてよ
助けるのが仕事でしょ
どうして
不良ばかり可愛がられるの
どうして
不真面目な子ばかり可愛がられるの
どうして
真面目な子ばかりが損をするの
SOSを出せない子が
やっとの想いで出したタスケテを
どうして踏みにじれるの
そんなの
人間としておかしい
そんなのが現実だとしても
そんな世の中は哀しい
どうして
真面目に生きたら馬鹿を見るの
そんな理屈知らない
そんな理屈要らない
世渡り上手よりも
真面目に生きてるひとを大切にしてほしい
「ガラスの館」「柿色」「明るいほうへ導かれて」
2013年11月18日 ネタ帳 コメント (2)光が屈折する。
光が反射する。
そこには何も見えないのに、確かに存在する壁。
「ここは、君の心だよ」
どこからか声が聴こえる。
暖かいような、優しいような、冷たいような、怖いような。
辺りを見回しても、何も見えない。
だけど、不思議と圧迫感を感じないのは、それは開けているから。
空間はある。それでも、どこにもつながってはいない。
光は降り注ぐ、それでもどこへも行けはしない。
「よく似ているでしょ?」
くすくすと笑う声は、少年の様でいて、少女の様でいて、どこか大人びた気配も感じる。
反響するせいで、どこから声がかけられているのか、それは判断がつかない。
それでも、そこにいるような気がして、ノエルは一点を見つめた。
「これが私の心?」
「そうだよ」
「私の心は、もっと暗くてドロドロしてるよ」
それなのに、ここは明るくて、開けていて、緑もあって、優しくて暖かい。
「全然違うわ。こんなの私の心とは似つかない」
ノエルは首を振り、そしてまた同じ一点を見つめた。
光に溢れ、そして暖かい陽の光が届き、時折屈折の仕方によってはきらきらと虹色に輝く。
植物の象徴である緑も、ゆっくりと時が経過するように、芽吹きの若い緑から、最盛期の深い緑、そして黄色味を帯び、柿色や朱色に染まり、灰色になる。
それでも、また芽吹きの若い色へと戻る。季節は移ろい、止まることはないのだと、生命の営みを感じる。
こんな、綺麗な心ではない。
上を見上げれば、冬の澄んだ空気を髣髴とさせる青い空。真っ白な雲は、夏の様であり、わたあめのように溶けそうな雲もある。
あれが空であり、雲であるのか、それすらこの場所からは判断がつかない。
光の加減でそう見えているだけで、全く別のものなのかもしれない。
それでも、綺麗だな、と見上げてしまうくらいには、清々しい。
曇り空や雨が多いノエルの心とは似つかないと本人が思っても仕方がない。
「全然似てないよ」
視線をおとし、そう言葉を紡ぐノエルに、声は少し笑ったように思えた。
「似てるよ」
そして続ける。
「君の心は綺麗だよ。そして醜い」
声がそう言ったのと同時に、辺りが暗くなる。
それまで、見渡せていた世界は、結露した窓のように、曇って見えなくなった。
「君の心は澄んでいても、すぐに澱む」
こんな風に。
声は笑う。
「なにより、心を開いているようで、壁がある所なんてそっくり」
そして、壁は元の透明な、それでいて確かに存在する状態へと戻る。
「何ものにも染まり、何ものにも染まらない」
目まぐるしく世界の色が変わる。
世界を通じて、ガラスの在り方が変わっていく。
カメレオンが擬態するかのように、ガラスの存在は認知できなくなる。
「私は、周りばかり見てる自分が嫌なの。周りに合わせなきゃって不安になるのはもう嫌なのよ」
「ほんとに?」
「・・・・・・・」
「合わせてる、って思いこんでるんじゃない? 君は、君のままなのに」
周りを見てみなよ、と声が言う。
壁があって、中は何一つ変わっていない。
この空間の温度は変わらないし、景色は変わっても、空気は変わらない。
「君は君のまま、変わってないんだよ」
大事なところは、何一つ変わっていない。
壁を作るということは悪いことなのかもしれないが、それは自我を護るため、自分の意思を持っているということ。
確固たる信念を持っているということ。
周りに合わせるのは生きやすくするため。
いい悪いで判断することではないし、自分の意思を曲げない程度に合わせるのは、社会に適応するために必要なスキル。
「大丈夫、君の心は綺麗だよ」
声は言う。
社会の汚さに辟易しても、それに抗う術もなく従うだけ。
心は折れて、世界に絶望しても生きるために従うだけの毎日。
「君の心は、何ものにも侵されない」
消えかけていた蝋燭の灯りが、確かに胸の奥に灯った。
何のために生きているのか、合わせるだけの毎日が嫌だった。
それでも、誇りを持って、護ってきたものが、確かにある。
「さぁ、戻ろう」
目まぐるしく変わっていた景色に、確かにそれまでとは違う光を見つけた。
その方向へと、一歩踏み出す。
合わせているからといって、屈しているわけではない。
大事な本質まで、汚されてしまったわけではない。
「大丈夫」
明るいほうへ導かれるように歩みを進める。
あぁ、そういえばあの声はどこかで聴いた気がする。
遠のく意識の中、ノエルはそんなことを想った。
「・・・・・・・」
「ノエル・・・・!」
目を開ければ、視界いっぱいに大切なひと。
嫌なことが多くて、むしろ嫌なことばかりで、見失っていた大切なこと。
いつだって、支えてくれて、そして心配してくれていたひとがいること。
そしてなにより、自分という存在を、自分の心を、信じること。
『君の心は綺麗だよ』
犯罪を強要されても、嫌がらせを受けても、それでも、守り続けたものがある。
大切な友達が、ターゲットにされたとき、それまでどうでもよかった社会現象が、不快なものになった。
それだけは、どうしてもダメだと、守り続けて。
そして、自分がターゲットになっても、その守っていた対象からいじめられても、耐えた。
きっと、ここで立ち向かったりすれば、護りたかったものでさえ護れなくなる。
いままで、傍観者でいたことのつけがきたのだとそう思った。
傍観者であることの罪深さ、自分がターゲットにならないための予防線。
それでも、大切な友達を護るには、傍観者ではいられなかった。
必死で抵抗したノエルは、いつしか気に食わないと排除される側になった。
「ごめんね、ごめんね、ノエル・・・・!」
目の前で、ぽろぽろと涙をこぼす友人は、護りたかった対象。
こんな風に泣かせるためではなく、笑っていてほしくて、護りたかったのに。
最後まで守り切りたかったのに、途中で心が折れてしまったから、こんなにも泣かれるのか。
じゃあ、今度は最後まで護れるといい。
新たな決意を胸にノエルは心の底から笑った。
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お題:「ガラスの館」「柿色」「明るいほうへ導かれて」
お題提供:たんぽぽ様
楽しんで書かせていただきました♪
ありがとうございましたー!
「猫」「麦」「まばたきをするのも惜しいくらいに」
2013年8月4日 ネタ帳 コメント (2)頬を風が撫ぜる。夕暮れの、黄昏で。
ついこの間まで、あんなにうっとうしく感じていた熱気を帯びた風が、いまは懐かしく感じるほど。
半そでよりも、長袖を着る機会が多くなったこの季節、朝夕の散歩が日課になっていて。
ついこの間まで青かった穂が、黄金色に色づいて、首を垂れていた。
「もう、秋、なんだなぁ」
そんなことを意味もなく呟いてしまうくらい、秋という季節は、なんとも云えない気分になる。
感傷的、切なくて、少し泣きたくなるような、そんな季節。
秋は美味しいものが多くて、涼しくて、とても倖せだと、倖せしか感じていなかったあの頃には、解らなかったこの感覚。
何故だか、胸がいっぱいになって、そして叫びだすのもためらわれて、ただ、気持ちだけが溢れていく。
「なーう?」
どこからか来た真っ白な猫が、足元にすり寄る。
熱くなった目頭を押さえて、その後下瞼に溜まった雫を、誤魔化すように指で強引に払った。
「ごめんね、何も持ってないよ?」
「なーう、なーう?」
しゃがんで視線を合わせてそういえば、単に人懐っこい猫なのか、それとも飼い猫なのか、すりすりと頬にすり寄る。
それは、まるでこちらを気遣うような、優しさを感じられる仕草で。
「お前、慰めてくれるの?」
よしよし、と頭を撫でる。すると身をくねらせて、自分のいい位置に手が当たるように移動した。
ここがいい、という意思表示をするように、見を摺り寄せてくる猫に、苦笑する。
自分も、これだけ自己主張ができれば、あの場所に居られただろうか。
遠い記憶の中、とても居心地が良い場所があった。
気持ちが良くて、倖せで、いつも笑っている自分がいた。
それでも、なぜか、それは続かなかった。
倖せだったのは、自分だけだったのだろうか。彼の気持ちは、いつから離れてしまったのだろうか。
いま考えても、答えなど出ることはないのだけれど。
『お前、ちゃんと自分のこと考えたことある?』
『え』
『これからどうすんのか、とか、そういう将来像? みたいなの』
『うーん、このままでいちゃだめなの?』
『やー、もう、だから、その具体的な』
焦れて、怒って、言葉を荒げて、最後には呆れられた。
たぶん、いつまでも定職に就かないから怒ってたんだと思う。
いつまでも、学生気分で、このままがいい、なんていうのを怒っていたんだろう。
彼は、職場の事情とやらで、遠くへと引っ越していった。私は後を追うこともできず、毎日、同じことを繰り返し。
「あー、寂しいなー」
叫びたい、けれど叫ぶほどの元気がない。
全てめちゃくちゃに壊してしまいたい。それほど、喪失感は大きくて。
壊してしまいたいけれど、こうやってすり寄ってくる猫を邪険にすることはできなくて、撫で繰り回す。
「なう!」
撫で方が気に食わなかったのか、ちょっと噛みつくような仕草をする。そうじゃない、こっちだ、と言いたげに身体を移動させて、スリ、とまた身を擦り付けてくる。
「ごめん・・・・・・」
上手な撫で方を知らなくて。
「ごめん」
上手な甘え方を知らなくて。
ぽたぽたと溢れる涙、嗚咽すら止めることはできない。
涙で視界が悪くなって、辺りのことなど気にならなくなり、しゃくりあげる。
時々怒って、それでも、優しくしてくれて、自分を導いてくれようとしてたのに。
その手を取れなかったのは、他でもない自分だ。
『お前、ちゃんとしろ! その気があるなら、この日の10時、ここへ来てくれ』
怒ったような、呆れたような声が怖くて。
待ち合わせ場所にいけなかった。行く資格がないような気がして。
ちゃんと、チャンスは残しておいてくれたのに。
ちゃんと、向き合う時間は与えてくれたのに。
「ごめんなさ・・・・・」
「そういうことは、本人目の前にして、本人の顔見て云えよな!」
聞き覚えのある声。まさか幻聴まで聞こえるようになっただろうか。
顔を上げれば、確かに見覚えのある顔。まさか幻覚まで見えるようになっただろうか。
会いたくて。声が聴きたくて。
何度電話を掛けようとして、諦めたことか。
ずっと、ずっと、怒ってるだろうな、呆れてるだろうな、嫌われてしまっただろうな、そんな風に思って。
その想いが強すぎて、こうやって幻影を視ているのだろうか。
「ゆーと?」
「・・・・・・人を幽霊みたいに見ないでくれるかな、サク」
いつもの声で、大好きな声で、皮肉めいたいつもの言葉。
それでも、記憶の中よりも、優しい笑顔。
呆気にとられた私の頭を、ぽんぽんっと優しく撫でてくれる。
会えた。
会えたの?
会えたんだ。
嬉しさが込み上げて、消えてしまうんじゃないかと怖くて、ユートをガン見する。
瞬きするのが惜しい。すごく長い間、目に入らなかった存在。
焼き付けなくては、また離れても、ずっと瞼の裏にユートがいるように。
長い手足、一重の瞳、触り心地のいい髪。
大好きで、大切で、失いたくない存在。
「ゆーとおおおおおおおお」
「あー、もう、ほら、泣かない! 相変わらず泣き虫だな」
呆れたような声。それでも、何もないよりはいい。
失って、このままではいけない、と思った。それでも、どうしたらいいのか、それが分からなかった。
もう、この手を離してはいけないのは解る。
このままでいい、なんていうのは、違う。
このままではよくない。絶対に、このままではいけない。
「ゆーと、ごめんなさい、あの、」
「うん、知ってる」
知ってる? どういうこと???
宥めるようにもう一度撫でられて、深呼吸を促される。
「俺も悪かった。まさか、あれで伝わらないと思わなくて」
「え?」
「あのな、転勤ついて来てほしかったんだ」
困ったように、眉を八の字にして顔を覗き込んでくるユートに、首を傾げた。
彼は、いつそんなことを行っただろうか。
いままで、ちゃんと彼の話を聴いてきたつもりだったけれど、どこかで間違えただろうか。
「転勤の話が来たけれど、お前がこっちにずっと住みたいとか、そういう希望があるなら、遠距離とかもあるし。
でも、やっぱり傍にいてほしくて。でもこればかりは俺の我儘だし」
「・・・・・・・?」
「で、お前の希望があるか聞こうと思ったら、『このままがいい』っつーし」
「え、でも、それは」
「一緒にいたいのか、このままここで暮らしたいのか、よくわかんねー云い方されて、正直参った」
「ごめ・・・」
「いや、俺も云い方が悪かったんだ。なぁ、俺はお前と一緒にいたい。お前は俺と一緒にいたい?」
「一緒に、いたい。離れるのは、もう嫌だ・・・・」
「うん、それが聴ければ充分だ」
そういって彼は満足そうに笑った。
そしてひとつひとつお互いに確認する。これから、どうやったら一緒にいられるのか。
どうやったら、二人で倖せになれるのか。
これからは、時間をかけてゆっくり、考えていけばいい。
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お題:「猫」「麦」「まばたきをするのも惜しいくらいに」
お題提供:たんぽぽ様
久々に恋愛色の強いものを書いたらよくわからないものに。
うーん、恋愛偏差値低いので、想像力を働かせて頑張りました。
倖せになれよー!
たんぽぽさん楽しませていただきました。ありがとうございました♪
人間だから
弱いのは仕方ないのかもしれない
人間だから
誘惑に負けるのは仕方ないのかもしれない
それでも
人間だから
強くなりたいと願うし
人間だから
優しくあろうと願うし
人間だから
誰かの役に立ちたいと願うものではないですか
人間だから
感情にぶれがあるのは仕方ないかもしれない
人間だから
無感動では生きられないかもしれない
人間だから
間違うのは仕方ないのかもしれない
それでも
人間だから
倖せを感じながら生きていたいし
人間だから
負の感情に負けないほどの喜びが欲しいし
人間だから
過ちを正して正しくあろうと願うものではないでしょうか
願っても叶わないことあるけれど
これくらいの願いは持ってもいいでしょう?
わからないけれど
わかりたくもないけれど
理解する努力がないひとのことは
理解しようと努力したくはないけれど
わかりたいと願う人が
どうか僕のことをわかってくれますように
寝た子を起こさないで
2013年5月20日 ポエム笑っていたい
和んでいたい
穏やかにいたい
お願いだから
気の持ちようだって言わないで
笑うためには
和んでいるためには
穏やかでいるためには
自分の気持ちのありようもそうだけれど
周りの人の影響もすごくあるんだよ
笑っていたい
和んでいたい
穏やかでいたい
約束を破られたり
話を聴いて貰えなかったり
自分の意志とは違うところで
傷ついて 乱されて
笑っていられない
和んでいられない
穏やかじゃいられない
お願いだから
協力してよ
眠ってるシニタイクンを起こさないで
どうして体力がつかないのだろう。
動けるようになったし、実際大分動ける日が増えてはいるのだけれど
暑い日や、寒暖差が激しかったり
低気圧だったり、湿度が高かったり
強い日差しだったりして外にいすぎると
動けなくなる。
寝ているしかなくなる程の頭痛。
『働く』という目標にはほど遠い。
週5日、フルタイム、なんて夢なんだろう。
週3日ならなんとかなるかもしれないけれど
それだと続かない気がする。
続けたいけれど、身体が悲鳴を上げて
休むこともできずに、疲弊していって
疲労は蓄積していって
きっと、また動けなくなるんじゃなかろうか。
4時間勤務とか、そういったものなら何とかなるかもしれない。
でも実際、海梨さんのやりたいお仕事はフルタイムばかりで
そんな勤務は、できなさそうで。
そもそも、障害者枠でもフルタイムの求人ばかりなのはどうなんだろう。
身体にしても、精神にしても
もうちょっと働きやすい勤務形態、ってものがあるんじゃなかろうか。
そりゃ、ひとりで何役もこなせたら素敵だろう。
スキルがあるひとは企業にとって魅力的なのはわかるけれど。
そのひとを雇う方が、お得だろう。
時間をずらして2人雇うより
ひとりだけ、長時間拘束した方がいろいろかかるお金も少ないだろう。
門が開かれているようで、閉じかかっている。
敷居が低いようでいて、ものすごく高い。
働きたいという意欲さえそがれるよな
そんな―――
実際、税金のお世話にならずにひとりで暮らしていけるようになるには
雇用の機会が必要で。
いまはまだ親のすねかじりで生きてるけれど
この先、生きていくには確かに自分で稼ぐ必要があって。
それが叶わないのであれば、どうなんだろう。
死ぬのかな。死ぬしかないんじゃないのかな。
そんな風に漠然と思う。
できることは一生懸命しても
ふつうの人には並ぶことができないから
おなじ土俵にすら立てないから
税金を納める側になりたいけれど
税金を納めるにはまず働かないとダメで
働くには、体力が必要で。
頭脳労働ですら、フルタイムで座っておかなくちゃならない。
座っておくことはできるかもしれないけれど
そこまでの通勤と、そこでの人間関係を創るほどの体力がなければ。
それを考えると頭が痛い。
体力、つかないなぁ・・・・・・・・・・
大好きなんて誰がいったの
あなたのその温もり
誰より欲しがるのは誰か知っているじゃない
悲しい顔でそんなこというなら
どうして会うこと願うだろう
いつも以上にあなたを思って
いつも以上に愛しさ溢れ
どうしてもどうしても
放したくないもの
離れたくないもの
伸ばした手を掴んでくれるなら
きっと何だってできるから
お願い
幸せになることを諦めないで
大丈夫だよ
「ミモザ」「ふにゃふにゃ」「結ぶ」
2013年3月18日 ネタ帳 コメント (2)「ねぇねぇ、見てー!」
あの香りを嗅いだのはいつだったか。
遠い記憶を呼び覚ます、鮮やかな黄色。
ゆで卵の黄身で作られたソレは、確かに記憶の中の植物にそっくりだった。
「懐かしいね」
自分たちが最初に出会った場所にもミモザが咲いていた。
正確には、ミモザではなく、フサアカシアらしい。
その証拠に、葉に触れてもお辞儀をしなかった。
葉の形状が似ているソレをどこの誰が間違ったのか、それは知らないが、少なくともミモザだと認識していた。
周りも似たようなものだから、植物学者以外は、そんなにこだわって植物を呼ぶこともないのだろう。
別れた女性は、真の強い、まっすぐなひとだった。
それでも薔薇のような棘はなく、曼珠沙華が一番彼女らしかったかもしれない。
ミモザのイメージは、目の前にいる彼女だろうか。
ふんわり、優しく、香り高く。
それでも触れればふにゃふにゃと身を縮ます、オジギソウのような。
笑顔の優しい、それでも、どこか頼りない―――
出会って、離れて、再会して。
どれだけの時を共に過ごしたか。
もう、思い出すのも億劫になるほどの時間を共有し、そして結ばれた約束。
彼女の笑顔のためにと絡められた指は、未だに解かれることはなく。
「あぁ、食べるのがもったいない」
自然と口角が上がってしまう。
長い時間一緒にいても、気づかないことはたくさんある。
それでも、考えていることは伝わってしまうこともある。
はたして、いまのは彼女に伝わっただろうか。
愛しくて、愛しくて
その花の匂いをかぎたい
愛しくて、愛しくて
その花の葉に触れたい
愛しくて、愛しくて
その花の名を呼びたい
愛しくて、愛しくて
その花の蜜を吸いたい
卵の黄身のサラダは、食べてしまえば目の前から消えてしまう。
そんな当たり前のことを考えてしまうくらいには邪な生き物。
だから、大事に、大切にしたいと思う。
また一緒にミモザを見に行けるように。
大事にしていきたい。
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お題:「ミモザ」「ふにゃふにゃ」「結ぶ」
お題提供:たんぽぽ様
久々にシリーズではなく短編。
なのに、久々なのに少しR指定ですみません。
ぼかした上に白文字なので許してください。
なんでだろう、何年経っても、大好きで触れていたい。
そんな気持ちを持ち続けられる関係って素敵だな、って思ったら
そんな表現になりました。
うん、無色透明に近い感じですが、一応個人的に頑張った・・・!
ふんわかプラトニックも大好きですが、らぶらぶも大好きです。
ほんのり切ないのも大好きですが、らぶらぶも大好きです。
たんぽぽさん、お題ありがとうございましたー
「そんな所で何をやっているんだ」
そんな風に声をかければ、びくりと動く肩。
つつーっとぎこちない動きで振り返るのは、少し勝ち気な少女。
こちらが出す難題にもメゲず、立ち向かう姿は、他の生徒たちのみならず、教師にも影響を与えている。
それがよいことか、悪いことか、価値観によって答えは変わるだろう。
だが、少なくともこの学園にとっては、良いことなのだろう。
いくら音楽の妖精の加護をうけていても、学ぶ意志が何よりも大切だ。
演奏して、誰かの心に何かを残せるようになるには、相当な努力が必要だ。
演奏を聴く人にとっては、1回がすべてだ。
通り過ぎて行くだけのはずの人が、また聴きたいと思う演奏。
聴いた人の心に灯りを灯せる演奏ーーー
そうなるためには努力が必要だ。
誰にも誉められない、誰にも強制されない練習すらも楽しめる才能。
好きなことを頑張り通せる、それこそが才能と呼べるだろう。
「あ、なんだ、吉羅さんでしたか」
「誰だと思ったのかね」
そう問い返せば、勢いよく左右に首を振る彼女。
問い詰めなくとも、大体予想はつく。
彼女がここまで行動を気にするのはーーー
「見られてはまずいものか?」
振り替えりはするが、立ち上がりはしない。
若干隠すような手元を覗き込めば、大切そうに金属の環が掌に乗せられていた。
「アクセサリー類は・・・」
没収だ、といいかけて、ファータの魔法の残り香に気付く。
日野は、見えなくなっている。
私はこの身体に流れる血のおかげで見えている。
見えると少々煩く感じるが、見えなくなれば・・・
見えなくなってしまえば清々するだろうと、そう考えていた。
だがどこかで一生見えてしまう、という確信もあった。
だから、見えなくなる、という感覚は分かりづらい。
アルジェントは日野の斜め上を飛んでいる。
だが彼女はもうそれが見えていない。
アルジェントは日野を励まそうとしている。
だがその声はもう彼女に届かない。
契約ーーー
コンクールの間だけのーーー
彼女は選ばれ、そして友好関係を築いた。
そしてコンクールが終わり、契約もおわった。
そのままファータの加護は受けられるが、ファータを見ることは叶わなくなった。
アルジェントの無理難題も、立ち向かって解決してきたのだろう。
私に対してそうであるように。
『吉羅暁彦』
肩を落としたアルジェントが話しかけてくる。
伝えられなくなった言葉を伝えてほしいと。
落ち込みすぎて空気が重く、調子が狂う。
音楽の妖精の不調は、楽器の音を狂わせるように、私の心も狂わせる。
深い溜め息を吐いて了承すると、少しだけ身体の自由が奪われる。
『日野香穂子、きこえるか?』
「え・・・」
『我が輩の姿がお前に見えなくとも我が輩はいつでもお前の傍にいる』
「・・・」
『だから安心するのだ。お前が音楽を好きでいてくれる限り、我が輩もお前が大好きなのだ!』
「・・・リリ」
そういって泣き崩れる彼女を、泣きそうな表情で見つめるリリ。
こんな風に身体を貸すなんて何度もないが、これは仕方ない。
お互いを想い合う心に、いくら非情になりきろうとしても動かされる。
思えば、彼女も私と同じファータ被害者だ。
ファータのために哀しむ姿は、あまりにもーーーー
「吉羅、おまえさん・・・」
「あぁ金澤さん」
神妙な表情でカサカサと音を立てて現れた金澤紘人。
完全に姿を見せたかと思えば肩をぷるぷると震わせ笑い出した。
「金澤さん・・・?」
「・・・っひぃ・・・っくっっくっ・・・!」
笑いが止まらない金澤さんに眉間の皺が深くなる。
「いやぁすまんすまん。おまえさんが『我が輩』だの『大好きだ』だのいってたもんだからな」
「・・・」
リリの仕業だとは理解しているんだが、といいつつも笑う金澤さんに更に大きな溜め息が出る。
そうだ。
見えない人間からすれば、あれは私の言葉であり、知らない人間なら余計に。
それを分かっていながら、身体を許した自分が恥ずかしい。
ここが学校という公共の場で誰に見られるかわからないこと。
ここは私の職場であり、彼女の通う場所であること。
彼女と私が生徒と理事長という関係であること。
その全てを失念していた自分に腹が立つ。
その全てを失念してしまえるほど、彼女はーーー
泣き崩れる彼女を、うまく慰めることはできない。
それをいとも簡単にやってのけるのはちゃらんぽらんな目の前の男。
泣いていた彼女をあやしていたかと思えば、もう軽口を叩く。
そして少し涙は残るものの笑う彼女。
私では、ああは上手く接することができないだろう。
というか、私の目しか無いことをいいことに、少々スキンシップがすぎる。
明らかに教師と生徒の枠をはみ出て恋人同士の会話になっているところに冷たくくぎを差す。
非難の声が上がるが、気にしない ここは学校で、ここは私達の職場で、この男は部下だ。
彼女の想い人で、私の先輩であることはこの場所では必要ない。
彼女がせめて卒業するまでは、しっかりとけじめをつけてもらわなくては。
彼女のおかげで、やっと前を向けた男が、彼女に対して甘くなるのは仕方ない。
とは思うが、節度を守ってほしい。
少しもやもやするのでアルジェントが来たら軽くしめておこう。
こうなったのは全部奴のせいだ。
今日の失態も、この胸の中のもやもやもーーー
全部ーーーー
夢を見る
炎の渦と
逃げ惑う人々
見覚えはないはずなのに
崩れ落ちると哀しくなる
黒い影に朱色が見えなくなって
翻る紫で視界がいっぱいになる
こっちだ
差し出される大きな掌
逡巡して手を取れば
勢いよくひっぱられる
この手を
力強くひかれるこの手を
放してはいけないと
放すことはできないと
目覚めればいつもの天井
頬を伝う雫と
痛いほど速い鼓動
恐怖なのか
恋なのか
理由を確かめる術もない
炎の渦と
逃げ惑う人々
見覚えはないはずなのに
崩れ落ちると哀しくなる
黒い影に朱色が見えなくなって
翻る紫で視界がいっぱいになる
こっちだ
差し出される大きな掌
逡巡して手を取れば
勢いよくひっぱられる
この手を
力強くひかれるこの手を
放してはいけないと
放すことはできないと
目覚めればいつもの天井
頬を伝う雫と
痛いほど速い鼓動
恐怖なのか
恋なのか
理由を確かめる術もない
落ち着いた香り
馴染んだ匂い
安心して背中を預けられる
心音さえも同化して
手に取るように動きがわかる
考える必要もない
身体が動く
何が起きているのか
何をすべきなのか
何を望まれているのか
それでも
それでも
期待に応えられない
残して逃げろ
そんなメッセージ知らない
傷つき倒れている君がいるのに
僕に背を向け闘っているのに
どうして
どうして
逃げることなんてできる訳ない
仕事とプライベートは分けなきゃ
そんなのしってる
それでも
それでも
大切な君たちを傷つけられて
大好きな君たちを傷つけられて
仕事優先させるほど
僕は仕事人間じゃない
急速に冷めていく
身体も 精神も
相手を同じ人間だと思えない
思いたくない
キライなものはキライ
フカイなものはフカイ
赦せないものは赦せない
さあ永遠に冷たい棺の中で
醒めることのない眠りへ誘おう
生きてほしいと願う度
どうしようもない想いに悩まされる
隣にいたい
抱きしめたい
そんな資格はとうに無いのに
笑っていてほしいと願う度
押さえきれない想いに悩まされる
会いに行きたい
顔がみたい
そんな資格はとうに無いのに
この地上で同じ時間を
同じ空を見上げているなら
きっとすぐ傍にずっといるのに
どんどんと加速し重くなる気持ちは
君にとって迷惑なだけなのに
どうしても想うことやめられず
どうしても思い出す
君と過ごしたあの懐かしい日々を
==================
真希さんの別宅に捧げている
ケーキ屋さんシリーズの店長
ラフィエスト・シルバー二・ラヴィエント
キャラの心情詩を書くのは大好物なのですが
如何せん小説という形で捧げているので
吐き出す術がなく。
小説だとじっくりPCの前に座らないと書けないので。
否、座ってもネタの神様光臨せんと書けないですが。
てことでヨーロッパ記を書かなくては
と思いつつPCの前に座れないので
スマホから吐き出します。
慣れてないので長文は無理ですな
「蛍」「約束してました」「虹色」
2012年10月12日 ネタ帳 コメント (2)がさり、と物音がして振り返る。
落ち葉が降り積もるこの場所で、気配を消すのは難しい。
黙ってこちらを窺っていたらしき気配は、こちらが気づいたと知ると観念したように出てきた。
軽くため息をついて、視線を元々見ていた方向へ戻すと、アキラは口を開く。
「ここは変わらないね」
「うん、そうだね」
何年ぶりの再会だったか、その記憶すら曖昧で。
あどけない少年だと思っていたサザナミは、面影はあるものの、いまは壮年。
口調こそ当時に戻っているが、普段は年相応の物言いができるようになっただろう。
月明かりが揺れる水面に、はらり、と紅葉が舞い落ちる。闇の中に青白い光がゆらゆらと飛んでいる。
こんな、秋の夜長を、のんびりと楽しめるほど、ここの情勢は落ち着いた。
混乱の最中、すこしでも日常を、と求めて、いっとき戦いを忘れたこの場所で、またサザナミに出会おうとは。
アキラは視線を動かさないまま、隣にいる旧友に問う。
「彼女とはうまくやってるのか?」
「うん、それなりに」
一生をかけて守り抜くと誓った相手に対して、それなりに、とは。
それでも、穏やかな気配からは、ふたりが不仲だというのは感じ取れない。
大人になって、正面切って愛だの恋だの主張しなくても、お互いにそれを信じていける関係になったのだろう。
それだけの月日を、ふたりは積み重ねてきたのだ。
「アキラ、帰ってこないの?」
「あー、それはまずいだろ」
笑っているものの、苦いものがこみ上げて、泣き笑いにならないようにするのが精いっぱい。
ここは変わらない。そして、アキラ自身も変わらない。
当時のままの容姿で、当時のままの生を。
人間とは、自分と異質のものに畏怖を抱き、排除しようとする。それが迫害であり、それが差別だ。
マジョリティにある人間は、数的優位にあるほうが正しいのだと信じて疑わない。
それならば、いまこの国にある平和は、偽りだろうか。
あの戦いで、圧倒的に数が少ない状態だったサザナミの軍が勝利を勝ち取ったのは、間違いだったというだろうか。
平和と、そして国民の幸福感と。
一部の上層部の道楽のために、自分たちは生きているのではないと。上の都合で殺されてなるものか、と。
邪魔になったから殺されそうになったサザナミの兄が、抵抗を続け、護りたいと思った人々を、護ったサザナミを、誰が責めることができるだろう。
ひとは、生きたいと願い、生きるもの。
それを、多少の犠牲は仕方ないと、未来の生贄にする上層部。
生贄で創られた未来は、いつの時代も生贄が必要になる。
誰かが犠牲になって、誰かが泣いているのに目を瞑って、自分たちの未来を創るなど、本当に正しいのか?
正義などは語ってはならない、自分たちもまた、他人のイノチを奪ってきたのだから。
あちらの兵士たちも、自分たちの生活があり、自分たちの家族のために戦ったのだろう。その行く末がどんなものになるのか、薄々気づいていたはずだ。
それでも、傍にいるひとたちを泣かせる訳にいかない、そう思って戦っていたはず。その信念はサザナミたちとなんら変わらない。
目指す場所が、生贄を必要とする未来なのか、誰も犠牲にならないですむ未来なのか、それが決定的に違っただけだ。
戦禍に巻き込まれたひとたちは、戦争を始めた人間を憎んだ。戦争を続ける人間を恨んだ。それでも、ひとびとが選んだのはサザナミたちだった。
同じ痛みなら、未来に遺す訳にはいかない。
そう願って、時には残忍な決断をしたアキラは、戦いの後、どこへともなく姿を消していたのだ。
サザナミは、記憶と違わない姿、違わない懐かしい声に目を細めると、あの頃より断然低くなったアキラの頭を撫でる。
アキラは変わらない。サザナミの背が伸びたことによって、身長差が開いただけだ。
「つらい?」
「いや、つらくはない。成長しないのは、理解してたし、これからだって変わらない」
撫でられるまま、こちらを見上げてくるアキラに、手を伸ばす。
後頭部を掴んで抱き寄せる。あの頃は知らなかったから、乱暴だった抱擁も、いまなら優しくしようと思える。
「僕は、つらいよ。アキラが平気だっていうのがつらい」
「サザ?」
「いつか、僕は君より先にいなくなる。二度と君に会えなくなる。戦友はあの世で会おうと約束してきたけれど、君とはもう会えなくなるんだ」
「・・・・・・」
「僕の大事な親友が、僕の居ない世界で泣いていないか心配だ。でも、僕の死を悲しまないのも、少し寂しい」
我儘だよね、そういってアキラの耳元で笑う。
されるがまま、黙って俯いているアキラに、サザナミは一旦腕に力を込めると、身体を放し、顔を見られないように反対を向いた。
「君はまだまだ生きるじゃないか」
「それでも、君は、僕の居ない世界でずっと生きていかなきゃいけない」
涙声になるのをなんとか抑えて、込み上げてくるものを全て吐き出した。
一緒にいたころは、アキラが抱えているものなど、なにも見えてはいなかった。
サザナミの軍師が以前いた軍に、アキラもいた、ということは知っていたが、戦後彼にアキラのことを訊けば、どうやら歳をとっていないことに思い至った。
まだ若かった彼は、親しいひとを亡くして泣いているアキラを慰める術がなかったと後悔していた。
一人前の軍師として名が知れている彼の修業時代、となると、どうみてもサザナミと同い年にしか見えないアキラが上官であるのは、考えにくい。
しかも、彼もアキラのことを『変わらない』と評していた。
自ら死を選ぶことはできるらしいが、サザナミが知る限り、アキラはそれをする人間ではない。
たくさんの死を見送ってきたのだろう。どれだけの悲しみを胸に秘めているのだろう。
考えても、想像しても、それはきっと、まったく足らない。
想像を絶する痛みを抱える親友を想って、サザナミは苦しくて泣き叫んだ。
気づかなかった自分の未熟さと、傍で支えてやれない自分の選択と。
自分の横で、笑ってくれていた、アキラの強さと優しさを。
痛いほどの想いが胸をかけ巡り、彼女を心配させた。
やがて、それは落ち着いたけれど、それでも忘れることはなかった。
アキラという親友がいてくれたことを。
「アキラ」
「・・・・・・?」
「もしも、僕の訃報を聴いたら会いに来て」
「サザ」
「まだまだ生きるつもりだけど、それでも、最期に会いたい」
そういって振り返ったサザナミの笑顔は、月明かりに照らされていた。
季節外れの蛍が飛び交う中、タイムスリップしたような感覚を覚えて、アキラは目を閉じた。
「・・・・・・おや、墓参りですか、お若いの」
「えぇ。それにしても、たくさんのお供えですね」
「ここはこの国の英雄の墓。皆彼を慕っていた。いい男だった」
「そうですね」
「・・・・・・? 貴女のようにお若い方は戦争のことなど憶えていないでしょうに」
「それでも」
約束してましたから、と微笑む女性に、老人は頷く。
雨の降る足場の悪い道を、この小高い丘に造られた墓標に向かって歩いてくる間に雨は上がり、到着したときには、きらきらと雨粒が光っていた。
供えられた花や食べ物は、彼の死後20年経っても、途絶えることはないらしい。
いつの間にか空には虹がかかり、小鳥は囀り。
太陽のようだったサザナミが、その場所を暖かく護っているようで。すべてを護りたいと願い、護った彼が、死後もなお、そこにいるかのように。
=========================
お題:「蛍」「約束してました」「虹色」
お題提供:たんぽぽ様
キャラ出典:『月の夜に落ちた君』『戦禍の村』他から軍師補佐アキラ、軍主サザナミ
久々にアキラたちを書いてみて、ん・・・?と。
お題的に、再会をイメージしていたのですが、なにやら・・・・・・
元々のアキラの設定からして、サザナミの没後に彼の墓参りに行けるかどうか、それはまだ詰めていないのでわからないのですが
まぁ、IF設定で、これもアリということで。
背の低いことが何気にコンプレックスだったサザナミも、戦後にまだ成長が続いて随分男らしくなったようです。
なのにこの口調、ってちょっと違和感・・・?
アキラの隣だから、ということでご容赦を。
うん、やはりもっときちんとあの話は書きたいな。
たんぽぽさん、更新に気付かずになかなか作品が書けずすみません!
すごく楽しんで書かせていただきましたvv
旅行記2~リューデスハイム→オランダ~
2012年8月22日 旅行2日目の朝。
眠れないので早朝散歩したら素敵なおうち!
ドイツのおうちは本当に綺麗に窓が磨かれていて
鏡のようでした。
奥さん大変だおろうなぁ。
ライン川をリューデスハイムから下って
川沿いのお城やらを色々見て
あぁ、本当に、異国なんだなぁ、と。
船には日本人客もいて
ところどころ日本語が聴こえるのも不思議な感じ。
ちょっとまて、こんなことを昔も思った気がする・・・・
・・・・・・・・・・・グランドキャニオンか。
断崖絶壁に座って
『わー! こわーい! 落ちるー!』
とはしゃいでいた海梨さん
『そんなことやってると本当に落ちるよー』
通りがかりのオジサマに注意されました。
・・・・・・・・・・・・・日本人!?
普段日本語を聴く機会といえば家と土曜日の補習校くらいで
完全に油断しきっていた海梨さん。
これから旅行先で無駄にはしゃがないと決意するには十分すぎる恥ずかしいイベントでした。
なので、船内でも気を抜かず、はしゃぎすぎず。
すごいなー。こんなお城の生活どんなかなー、お話に使えないかなー
とかそういうことを頭の中で妄想。
でも、喉が渇くので売店でお水を注文。
英語でも通じるでしょうが、一生懸命ドイツ語・・・!
でも、あやふやなので、改めて英語で頼みました。
そういえば船に乗る前にポストカードを購入したのですが
数が英語じゃないととっさにいくらかわからないですね・・・
ポストカードは価格表示がなかったので
いくらですか、と英語で聴いたのですが
返ってきたのはドイツ語の数字なのでとっさに判別つかず・・・
英語圏とはスリルが違いますね。
NHKのドイツ語講座をすこーし聴いただけなので
正しい発音できるわけじゃないし、聞き取れるわけでもない。
あー、なんだかこの感覚知ってる、と。
アメリカで学校に行きだした時の感覚によく似ていて。
少しの期待と、たくさんの不安と、うまくやらなきゃ、ってガチガチにかたまって
なんとかコミュニケーションとらなきゃ、って
思えば思うほどかたまって。
そんなことを考えるとどうしようもなく苦しくなるのですが
船旅をゆっくりたのしんだあとはランチ。
ドイツといえばソーセージ!ってことで
マッシュドポテト、ザワークラウト、ソーセージ!
ザ・ドイツ!って感じのメニューを船を降りたところのカフェで頂く。
それにしても、店の外のオープンカフェに人が多いこと!
外でご飯が食べられる時期には満喫するんですねー
日本人なので日影が恋しい・・・ってことで店内で。
すっごい周囲のおばさまたちは文句垂れてましたが
アメリカの生活で、もうソーセージは保存食! が染みついてるので
そんなにびっくりしませんでしたが
確かに、日本のソーセージは塩分控えてくれてますもんね。
びっくりしますよね。しょっぱいから血圧も上がります。
塩分よりも、量が多いのに参った。
さて、昨日着いた空港からオランダへ。
アンネフランクの史跡を巡っていきますよー
今回の旅のメインはアンネフランクですから。
空港から出るとやはり雰囲気が違いますね。
また別の文化圏だと肌で感じます。
旅行記1~飛行場→リューデスハイム~
2012年8月21日 旅行うーん、うーん、うーん。
お金は持った、パスポートもある。
忘れ物はない・・・はず。
地元の空港についてからもドキドキそわそわ。
ひとりで国際線に乗るのは初めて。
しかも地元の空港から飛行機乗るのは2回目・・・?
その上国際線は初めて。
それで緊張するな、っていう方がどうかしてる。
海梨さん、国際線はまぁ、乗れます。
乗れないことはないです。
それなりに何をするかもわかってるのですが
・・・・・・・・・乗継何それオイシイの?
関空からの便が取れずに、地元からのご出発。
おば達とは仁川空港で落ち合う予定。
・・・・・・・うん、すっごく不安!
手続き済んでも動機息切れ、熱っぽさは変わらず。
飲んでも飲んでも喉が渇く。極度の緊張状態ですね。
仁川便は大韓航空なので、日本人がいないみたいで
CAさんはカタコトの日本語と英語で接客してくださいます。
綺麗なんだけれど、隙が無い感じ・・・?
お手洗いに立とうとしたら韓国語(?)で話しかけられて
挙動不審になりました。
英語ならわかる、日本語でもわかる。
だけど韓国語はわからん。
シートベルトサインが消えてるの確認してお手洗いに行きたかったのに
使用中で並んで待とうとしたら気流乱れて席帰れ的なことを言われたらしい。
通じてないのわかって英語で説明されました。
仁川空港到着して急いで乗換。
大丈夫、さすが国際空港。
しかも日本便も数多くあるので案内板に日本語があります。
つか、英語が一番最初に耳に来ない国は初めてなので更に挙動不審。
アナウンスも、目にする案内も、異世界語だった(何)
改めて、自分の知っている世界は小さいんだな、と。
英語と日本語とで満足している自分には
やはり世界は広すぎた・・・と。
無事に目的のゲートまで行けて
暫くして伯母と合流。
乗継まで時間があるので空港内散策。
文化紹介、文化体験など魅力的なものもあり
素敵な空港でした。
ウォンは乗継なので持ってなかったので見るだけ、ですが。
そして、長い長いフライト(10時間)の後、
降り立った異国の地、ドイツ―――
だからね、飛行機降りて初めに聴こえてくる言語が英語じゃ(以下略
案内も、今度は見慣れないものばかり。
英語は申し訳程度にあるけれど
聴こえてくるアナウンスは多分
ドイツ語→フランス語→英語・・・だったかな?
さすがに韓国語と日本語は聴こえてきませんね。
そして、慣れ親しんだ英語表記がなくなって
全くわからない言語になると
すごく不安になる物ですね。
いまなら言える。
『I`m Foreigner! I`m visiter!』
アメリカに暮らしてたから
アメリカでは外国人カテゴリから少し外れてて
日本人であるので、当然日本は祖国であって
旅行者、とはいいがたい(否、地元以外では旅行者だけど)
フランクフルト空港にお別れして一路ライン川沿いの町、リューデスハイムへ。
豪華なバスに感激しつつ、宿は線路沿いの小さな可愛いホテル。
夏でも冷房要らずのこの地域にしては珍しく
この夏は暑かったようで
部屋に冷房はついておらず、暑かった・・・!
寒い冬を乗り越えるための暖房設備はしっかりしてるみたいだけど
そもそも暑い夏を想定してないみたいでした。
晩御飯のあと散策に出かけてみると
バレルやワインバーの前で宴会しているひとたちがたくさん!
短い夏を謳歌しているようでした。
ドイツって堅いイメージだったけれど
結構陽気な方も・・・
【日本人は真面目】ってひとくくりに表現されるの嫌いでしたが
やはり他の国についてもひとくくりに表現するのはいけないですね。
国民性であって、みんながみんなそうじゃない。
触れ合ってもいないのに、そういう人間だ、って思い込むのって
すっごく失礼なことだと思いません?
暑さと貨物列車の通る音と、時差ボケで
疲れているのに眠ることができず朝を迎えた初日でした。
勝手に宿星紹介1 天魁星・天間星・天猛星
2012年3月12日 幻想水滸伝シリーズ天魁星:主人公
加入条件:プレイヤーがゲームを始めた時
職業:剣士
使える技:
☆始之型・断(単体)
弐之型・波(全体)
裂破鳳凰斬(単体)
参之型・旋(単体)
四之型・朱雀(全体)
終之型・斬(単体)
連携:テルベの里魂、Wリーダー、蒼閃流勇士
海梨さん的紹介:
天魁星なのに青。
PVが紹介されたときのようつべの動画につけられたコメントは
「これはフリック??」という内容の英文。
フリックさんは愛されてるな、と。
だがしかし、主人公=天魁星=フリックさんは天暗星=主人公は無理。
うん、知ってた。PV見たときに髪形が違うな、って思ってた!
蒼閃流の継承者。母親をアイオニアに殺された男の子。
一言で云おう。
『可愛い』
うん、素直なのに芯が通ってるところはティアクライスと同じ。
だけど物腰というか言葉遣いが穏やか。
おっとりなのに突っ走るところは突っ走るという典型的な2主的天魁星。
否、2主は元気っ子だから、どちらかというとキリル??
うん、キリルは宿星じゃないけども!
カリスマ的リーダーではなくて、じんわり心を癒していくタイプ。
技のバリエーションは流石主人公なだけあって、使い勝手がいい。
もう一度言う。可愛い。
天間星:ゼフォン
加入条件:ストーリー中盤自動
職業:魔術師
使える技:
魔法弾(単体)
精霊の戯れ(単体)
精霊の舞(全体)
☆精霊の怒り(全体)
真理の雷(単体)
大爆発(全体)
連携:美少年、魔術師
海梨さん的紹介:
天間星。そう、天間星。
ツンデレ色はそんなにないけど、どっか掴めない所があるけど
根本的な所で天間星。
573さんは天間星をこういう星回りにしたいのね、という
やはり世界の根本にかかわるキャラ。
美少年が多い幻水シリーズにしては、美少年って云えるビジュアルなのは
この作品ではゼフォンだけじゃないか・・・? と。
うん、少年って云える年齢の人間がいない。
というかザヴィドも年齢的には少年なのかもしれないけども。
年齢的には・・・・・・・な年齢です。
今回登場キャラで2番目くらいに高齢なんじゃないかと疑ってます。
うん、あれだよね、ラプソディアでハルナに住んでた水の魔法使いみたいな。
108星EDを迎えてももやもやが晴れない相手でございます。
漫画とか小説とかで3よろしく補完してくれなければ
自分で書くしかないな、と思ってます。
使い勝手としては・・・・・どうだろう。
全体魔法を使えるのはいいけど、序盤は魔石消費の魔術師はきついかなぁ・・・
ダンジョンを回数こなしておけば魔石もたっぷり作れるから
それをしておけばいいんですけどねー
天猛星:ボールドン
加入条件:ストーリー序盤自動
職業:拳法家
使える技:
☆蛇閃脚(単体)
神仙一撃(単体)
龍月脚(単体)
塔破脚(単体)
大地活殺(全体)
武神乱舞(単体)
連携:美中年、熱き拳の達人
海梨さん的紹介:
中年ではなく、美中年です。
おっさん。美しき拳のおっさんです。
なかなかに鬱陶しい。現実にいたら避けて通りそうな御仁なんですが
なぜかラスボスまで連れて行った・・・
うん、防御も強く、継承技もなかなかに使い勝手がいいので
使い勝手がいいのですよ。
中ボスやらラスボスなんかだと単体に大きなダメージを与える技が使い勝手がよく
なおかつそこまでいくまでの雑魚にたいして全体攻撃ができるのが好ましい。
なので、大地活殺と武神乱舞はとてもお役立ちです。
基本的に主人公が序盤は波で攻撃すれば瞬殺する雑魚も多いですが
序盤~中盤だと、攻撃力がたいして高いキャラがいないので
このひとも使えるんです。
鬱陶しかったので序盤はいれてなかったけど。
2周目は1周目で使ってなかったキャラで継承させようと思ったら
ジャグワンさんじゃなくてボールドンさんになったのです。
あ、村長です。主人公の村ではないですが、この世界の村長。
割と村人には好かれている人徳のあるひとです。
現実にいるとちょっと苦手なだけで・・・
良いキャラしてますよー
祝発売☆幻想水滸伝 紡がれし百年の時
2012年2月9日 幻想水滸伝シリーズうっほほーい!
幻水新作発売おめでと―――っ
ちなみに海梨さんはコナスタで限定版を購入。
シリーズの事典やら設定資料集やらサントラやらもろもろ込で19500円でした。
『極』が6000円で、本体が6000円でサントラが多分3000円で資料集が2000円、他特典が3000円くらいだと考えればいいのかね?
知ってる。海梨さんは幻水投資が激しいこと。
佐川さんの評判ってネットは軒並み悪いんだけど
うちの地域の佐川さんはとても優秀です。
発売日の午前中・・・9時代に届く優秀さ。
喜びのあまりついったに画像あげちゃった。
幻水仲間さんに羨ましがられたけども
海梨さんのPSPは暫く使われていなかったので充電切れ。
設定も初期化されてしまっていた。
早速起動したいのにいいいいとじたんばたんしながら充電。
起動する前に『極』辞典をめくってもうテンションあがりまくり
落ち着こうよ海梨さん、と思って
幻想真書ひっぱりだしましたよ。
うん、フリックさん特集(*腐れ縁特集です)
それをぱらぱらめくりつつ、やっぱり待ちきれなくて説明書ぱらぱら。
充電の途中だけどPSPの設定をしてソフト起動。
ふおおおおおおおおお!(なんの声かはご想像にお任せします)
主人公可愛い。
発売前トレーラーでようつべにあっぷされた画像に英語圏の方々が
『これはフリック!?』とコメントしていましたが
海梨さんはフリックさんじゃないなー、確実に違うなーと。
その後公式のキャラ紹介に主人公、とでたことで
フリックさんは天魁星にはなれないのだ、残念ながら。と。
まぁ、3は天魁星以外に5人主人公がいたので
573さんはやろうと思えばできる子なのでしょうが
個人的にフリックさんが主人公の幻水はみたくない。
サブでいいのさ!
てことで、さっそくプレイ。
うん、えっと、多分本拠地であろう砦は水の滸(ほとり)にあるし
役職として宿星を背負っているし、序盤から大変なことになるし
幻水シリーズだろう、ということは想像するに容易い。
ビジュアルも綺麗な3Dに2Dのイラスト。
話的にはTIME HOLLOWって石川さんが参加してたゲームに似てるんだろうか?
あれも過去書き換えシステムって話だったけど。
そんな邪推をしながらも、ゼフォンの胡散臭さが半端ない。
個人的には『黙れ! 馬鹿弟!』が可愛いんだよね。
もう、ツンツンデレデレお姉ちゃんかわいい。
トルワドさんもイケメンでいい先祖だなぁ、と。
今回師弟伝承ってのがシステムであって
同じ職業?(剣士や槍使い、音楽家など)の先輩から技を継承することができる。
こうやって自分が使える技を増やしていくのか、とそれは好印象。
うん、いろいろとまだ話が見えてこないからなんともいえんけど
システムから作ったというだけあって、そこは良好じゃないかね。
多分、幻水シリーズファンからしたら叩いて叩いて埃が出まくるのは仕方ないと思う。
だけど、幻水がでてくれるだけで海梨さんは両手上げてホイホイされるし
番外で試したことのいいとこをナンバリングに生かしてくれるなら、それでいい。
今回、いまのところいいなー! と思えたのは
伝承システム、OP、音楽、Now Loadingの画面のドット絵かな。
今回は主人公が思いっきり喋る上に神谷さんなので
夏目がやっている季節なので『夏目が笑った』と楽しくなるよ。
うん、まぁ、いまのところだけど
取り敢えず小気味良いおっさんが出てくるのはいいことだ。
発売前から目をつけていたレギウスが出てくるまでは頑張って進めるよー!
いうだけタダってことでいうけど
個人的にモブに顔グラはつけてほしくないんだ。
まぁ、ひとりひとりに話しかけられるシステムじゃないけど
違う町にいっても同じ顔がいるのはしらける
全顔グラ変えるのは難しいだろうし。
そこはTKでも思ったんだー。
OPとかは、個人的に3やら外伝テイストでやってくれればなおよしなんだけど。
2525でとてもいい動画みつけたよ!